二箇村城跡(京都府福知山市)
城跡は京都府福知山市二箇上にあって、集落北背後の低丘陵上に位置している。城史に関しては一色氏の居城が伝わり、現在主郭跡には「一色修理之亮義正」の名が入った石碑が祠と共にひっそりと佇んでいる。
城跡を訪れるには、既にリポート掲載を終えた北有路城を起点とすれば判り易い位置にあるので、細かい訪問ルートの説明は割愛させて頂くが、由良川に沿って南北に走る県道55号線に進入する事が先決となる。集落に辿り着けば登城ルート図を参考にして頂きたいが、民家庭先をかすめる(画像に注目)墓地へ向かう参拝山道を利用して上る事になる。墓地から先は概念図を参考にすれば分かり易いが、林道から眼に留まる旧配水施設を目印として西側へ向かえば、直ぐにでも大堀切が迎えてくれる筈である。ちなみに林道を利用しても充分車で登れると思うが、道中における道路状況までは把握していないのでどうか悪しからず、、
城跡概念図
城跡の形態は概念図を参考にして頂きたいが、山上ほぼ30m四方に渡る主郭の占有面積は大きく、南郭や付随する腰郭なども含めれば、充分砦の域ははみ出た城跡という事にはなろうか。見所遺構として挙げられるのは先に触れた大堀切、並びにそれに伴う縦堀及びその切岸壁、高低差6mを誇る主郭切岸跡と言う事になるが、いずれも見応えは抜群なものであり、訪れた値打ちは充分感じられる筈である。現状(七月訪問)城跡は、それなりに見学し易い状況にあると思って頂いてもよいが、主郭跡には隙間なく小笹が蔓延っており、虎口のある南郭以外は青竹も蔓延り、麓に向かうほど藪化は相当進行している。故に腰郭跡などはくまなく動き回れる状況にあるとはとても言えないが、空堀跡なども含めて他で複雑な遺構が眼に留まらなかった事から、遺構見学としては充分満足のいくレベルにあると思って頂いても良いのかも知れない、、、(郭跡も含めて縄張りを極める事は至難の業)
西腰郭
城跡を個人的に評価すれば、見学材料は少し乏しいかも知れないが、主郭に佇めば充分臨場感が得られる事、たった一箇所ではあるが縦堀を伴う見応えのある堀切が拝める事、高低差を誇る切岸の醍醐味に触れられる事、これらに10分内で迷わず辿り着けるお手軽感まで加味すれば、充分お薦め出来る城跡の一つという事にはなろうか。