青井山城跡(福井県小浜市)
城跡は小浜市青井にあって、後瀬山城の真西側にある海に面した山塊の山上に位置しているが、現在は「自然観察の森」として山上一帯は公園化されている。限りなく無名に近いこの山城は南北朝期に成立した城跡と伝わるが、戦国期を乗り越えているのであれば、せいぜい後瀬山城の砦あるいは海上に睨みを利かせた監視機能を持った城跡の様には感じられる(推察)
城跡へはほぼルート図の如く、国道27号「青井」の交差点で針路変更後山上に向けて進行すればよいが、かつて山上まで繋がっていたとも思われる車道は、途中から管理道として封鎖されており、図に示した峠付近(三叉路)に車は路駐して、そこからは歩いて上る事を余儀なくされる。山頂まではのんびりと海を眺めながらの道程になるが、15分程度で到達出来るとは思われる。
現状(九月)城跡は先に触れた様に山上周辺は全て公園化されており、山頂に至るまでは歩き易いアスファルトの遊歩道、あるいは駐車場(恐らく小規模な郭跡地)となっているので、公園化によって相当な地形改変が行われたものと想像される。案内板における尾根上を東の第二休憩所までは周りの景色を眺めながら歩いてみたが、痩せ尾根上に削平地がある程度でもあり、かつての山城の面影は全く残ってはいないのが現状である。堀切程度はかつてあったのかも分からないが、現状それらしきものは目に留まらなかった。もちろん土塁と窺われる箇所があったとしても、それは恐らく遊歩道設置の際の残土(盛り土)とも見受けられるのである。
山上に佇めば直ぐ東側に後瀬山城、北側には小浜湾、市内を跨いで遠くには丸山城(茶磨山城)も望める事から、眺望を味わうには最適の城跡という事にはなるが、城跡遺構を期待するのであれば間違いなく期待はずれに終わるものと思われる。せいぜいかつての山城の風情を感じれば良しとする方には、最高のロケーションだけは味わえるので、自然を満喫しながらの山歩きという事になれば、お薦めは出来るかもしれない。