川原砦跡(兵庫県三田市)
城跡は兵庫県三田市川原にあって、「高平ふるさと交流センター」の東側に聳える、標高約330mの低山山頂に位置しており、その南麓には「観福寺」が建立されている。城史に関しての詳細は不明であるが、山頂案内説明板には観福寺が十倉城主森本氏と縁のある寺院という事で、その勢力が築いた山城と推察されている。
城跡を訪れるには県道37号線に進入して「観福寺」あるいは「高原ふるさと交流センター」を目印として目指せば良いが、ルート図中には交流センターに車を預けた後の登城経路を示した。スタート地点には道標も掲げられており、歩き易い遊歩道で迷わず山頂までは辿り着ける筈である。ちなみに15分程度の所要時間
交流センター案内板
城跡の形態はアバウトに描いた概念図を参考にして頂きたいが、山上郭群の総全長は60m前後の、正しく砦規模の山城である。ただ中腹に位置する便宜上の西出郭も含めれば、それなりの山城という事にはなるが、、、現状当時の遺構として判別可能なものは、郭跡を除けば主郭北東尾根側に設けられた土塁(痕跡程度)及びその切岸、更に北東に下った削平地端に見止められた、堀切の痕跡(縦堀痕がある)程度と思って頂いても良いかも知れない。主郭には現在展望デッキが設けられており、僅かに中央がマウンド地形となっているが、どの程度地形改変があったものかは想像もし難く、郭側壁(斜面側)には切岸跡も見受けられなかったので、その祖形に関しては議論にも及ばないだろう。推察西出郭は山上郭群より規模では勝るが、金比羅祠が祭られている事による造成整地跡が窺え、当時の縄張りや規模は見学者の想像に全て委ねられるだろう、、、
現状(四月訪問)城跡は、山城としては非常に見学し易いコンディションの下にあるが、遺構見学を目的とすれば味気なさは否めないものであり、これを機に訪れる用意のある山城ファンの方には、自然と触れ合いながら山登りを楽しむ事を前提として、是非割り切って臨んで頂きたいと思うのである。ただ山頂から集落を望む展望(酒井砦や北砦などが望める)だけは、当時に思いを馳せるには持って来いといった値打ちのあるものであり、楚々とした山城の風情も味わえる事から、それなりに期待して臨んで頂いても良いのではないだろうか、、、史跡ファンの方や、手軽な山登りを好まれる方には是非お薦め!