能勢 井内城跡(大阪府豊能郡)
この城跡は大阪府豊能郡能勢町宿野にあって、既にリポート掲載を終えた下見砦跡と同様に、山城ファン(ブログ読者)の方からの情報により、その存在及び所在地を知り得たものだが、下見砦との同日訪問は個人的諸事情により叶わなかった。今回やっと訪れる事に相成ったが、下見砦とは同じ山塊を共有しており、下見砦が丘陵西先端に位置するのに対し、この城跡は東側丘陵上に位置している。その名が語る様に井内氏の城として伝わっているが、その詳細は不明。
城跡を訪れるには、先に触れた下見砦とほぼ同様のアクセス方法となるので今回は割愛させて頂くが、54号線沿いに掲げられた「常慶寺」看板を目印として目指せばよいだろう。車は当然寺院駐車場に預ける事になるが、その敷地西端(画像に注目)に取り付き、蔓延る木々の少ない左手斜面側へ回り込みながら(必ず!)上れば、藪漕ぎもなく10分内で辿り着ける筈である。
城跡の形態はほぼ概念図に近いものと思って頂いても良いかもしれないが、本郭群の総全長は50mにも満たない砦規模の城郭である。自ずとお目にかかれる遺構の数も知れているが、長年の堆積物によって深さの失われた空堀跡、それに付随する縦堀跡、主郭あるいは帯郭における高低差に欠ける切岸跡などが、現状唯一明確に判別確認可能な遺構と思って頂いてもよいだろう。もちろん遺構に見応えや醍醐味を感じるまでには至れなかったが、手付かずの遺構群の残存度は高い(ほぼ完存か)ものであり、城郭遺構としての値打ちは非常に高いものとも感じられた。
現状(九月)山上郭群は藪化進行中にあり、それによる堆積物も相当なものと眼に映ったが、自分を含めたマニアックな山城ファンの訪城に限られてくる山城としては、直登ルートも含めて蔓延る木々は比較的少なく、更に郭移動に差し支える事なく見て回れる状況にはある。ただし低草木の蔓延る西急斜面側は覗いていないが、、、、城跡を個人的に評価すれば、先に触れた下見砦との同日訪問であるのなら何とかお薦めも出来ようが、遺構の見応えも含めて、規模や縄張り妙味は絶対に問わない事が大前提とはなるだろう、、、