天若世木林城跡(京都府南丹市)
城跡は京都府南丹市天若世木林にあって、日吉ダムによって堰き止められた人造湖「天若湖」に向いて細長く突き出した、半島状の尾根先端部に位置している。城史に関しての詳細は不明
城跡を訪れるには50号線に進入する事が先決となるが、50号線からの進入経路はルート図を参考にして頂きたい。車止めからは徒歩で尾根先端を目指すことになるが、唯一とも言える直登取り付き口は、かつての駐車場(広場)となる向かい側の切岸工事された斜面(画像に注目)で、そこをスタート地点として丘陵上に向いて強引に上れば、直ぐに空堀が迎えてくれる筈である。
城跡概念図
この城跡の存在と所在地をを知り得たのは、京丹波地区を中心に山城巡りをされている方からの情報によるものであるが、その方曰く「訪れたものの城郭遺構が長い丘陵上のどの部分に当たるものか見当が付き難かったので、一度機会があれば訪れて遺構の確認をして頂きたい」、と言った内容のものであった。もちろんそこまで頼りにされるのであれば、断る理由は何一つなかったので、情報を頂戴してから少しばかり月日が経ってしまったが、やっと訪れる機会に恵まれたので、今回はその結果も兼ねた現況リポートと相成った。
城跡は情報を頂戴した通りの尾根先端部に当たり、アバウトに描いた概念図を参考にして頂きたいが、削平された郭総全長40m前後の本郭群の東背後には片堀切(縦堀)、更にその痩せ尾根を跨いだ反対側には、自然地形に近いが巨大とも言える空堀地形が見て取れた。よって結果的にこの地が間違いなく城跡であると個人的に判断を下した事になるが、現状城跡に関しての情報は、確かな所在位置も含めて皆無に近いものであり、城郭遺構としての正否の判定に対しては多少の不安が残る事から、これを機に臨まれる方にも是非その判断を下して頂きたい。個人的には更に南側尾根上も踏破したが、ここまで削平された地形や空堀地形は眼に留まらなかった。郭間及びその側壁における高低差を伴う切岸、あるいは尾根を断つ明瞭な空堀(横堀)でもあれば、間違いなく百パーセント城郭遺構と断言出来るのだが、、、、