佇まいはこれぞ山城! 和江城跡(京都府舞鶴市)
城跡は京都府舞鶴市和江にあって、和江集落の真北側に聳える、低山ではあるが険峻極まりない標高約140mの山頂に位置しており、その南麓には佛心寺が建立されている。城史に関しての詳細は不明
城跡を訪れるには、先にリポート掲載を終えた和江宮ノ谷城を起点とすれば所在位置も分かり易い事から、細かい訪問ルートの説明は割愛させて頂くが、和江神社の真北側にある佛心寺を目印として向かう事になる。寺院背後にある集合墓地が直登スタート地点となるが、左手側の植林地に向いて上った方が蔓延る木々も少なく、かつての山道(僅かに空堀状)に合流出来る事から上り易いとは思われる。ただ下山時に利用した西側の民家脇に下りるルートを、逆から登る方が最短ルートとは言えるが、、、ちなみに激斜面との格闘にはなるが、藪漕ぎなしで20分内で本郭群までは辿り着ける筈である。
城跡概念図
城跡の形態は概念図を参考にして頂きたいが、主要二郭と帯郭で形成された南北に渡る本郭群の総全長は100mに達するものであり、山上南端部における削平地(三角点がある)まで物見として取り込めば、規模だけ捉えれば砦の域は充分はみ出た山城と言えようか、本郭群南端には見所遺構の一つとも言える分厚い土塁を間に挟んだ二重堀切、更にそれに付随する明瞭な土橋、北端には横堀に縦堀を絡めた縄張り妙味のある三連の空堀(縦堀)と、これらは間違いなく見学者を魅了してくれる筈である。もちろん切り立つ切岸の醍醐味にも、充分触れる事が出来るが、、、
横堀と縦堀見所
現状(五月訪問)城跡は、意外にも蔓延る木々は少なく、縄張りは山頂のみに限られる(枝尾根がない)事もあって、山城としては移動にも難渋せず、非常に見て回り易い状況にあると思って頂いても良いだろう。城跡を個人的に評価するのであれば、シンプル過ぎる縄張りの為に、縄張り変化に富んだ城跡とは言えないが、険峻極まりない地の最高所に位置する城郭の佇まいの素晴らしさ(個人的趣向が入る)、あるいは南北両端に施された状態の良い堀切の醍醐味、更に本郭群における切岸がいきなり麓まで落ち込む様は「正にこれぞ山城!」と呼ぶに相応しいものであり、間違いなくお薦め出来る城跡の一つ、と自分の眼には映ったのである。
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コメント
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takuさま
ここもついでに訪れました。激斜面との戦いという言葉に釣られました。
かなり急坂の途中踏み跡が所々出てくる程度の道を約20分。精神的に疲れて来た時に明確な土塁付き堀切出現は何度見ても疲れ吹っ飛びます。山城の風格充分の遺構。登り甲斐ありました。達成感充分、下りは最後の下りきつく膝ガクガク。道を間違え、棘付きの枝多数のところを無理やり下る。道を間違えると棘付の枝にまみれることなぜか多いです。
いつもありがとうございます。
投稿: ヒデ | 2015年4月27日 (月) 14時07分