楚々とした佇まいが値打ち!酒井北砦跡(兵庫県三田市)
城跡は兵庫県三田市酒井にあって、先にリポート掲載を終えた酒井砦から見れば、集落を挟んだ北側にあり、集落に向いて突き出した丘陵尾根先端に位置している。そしてその直ぐ西麓には友松寺が建立されている。城史に関しての詳細は不明であるが、酒井砦同様に十倉城を居城とした、森本氏配下にあった砦ネットワークの一つと見るのが妥当なところかも知れない、、
城跡を訪れるには、先に触れた酒井砦を起点とすれば一目瞭然の位置にあるが、友松寺を目印として目指せばよい。最短直登ルート取り付き口は概念図と画像を参考にして頂きたいが、駐車場入り口の向かい側(丸木橋を渡っても可)で、水の枯れた小さな沢を跨げば、目指す尾根上は直ぐ覗ける位置にあり、そのまま堀切の施された尾根上(右手)を目指せば、5分内で堀切までは辿り着ける筈である。主郭に祠が祭られてある事から、寺院とは別に参拝山道があった様には窺われたが、、、
城跡の形態は概念図を参考にして頂きたいが、砦の名に相応しい小規模な山城で、主郭両端に付郭を付随させた程度の、堀切の備わる定番の縄張りと思って頂いても良いだろう。ただし、堀切より以北の広い山上削平地とその北端に位置する片堀切地形(西側から山道が繋がる縦堀の痕跡あり)までを縄張りとすれば、それなりの規模を持った山城と言えるが、、、見所遺構と呼べるものは概念図に示したつもりだが、主郭で眼にすることの出来る土塁(一部消失か?)、更にその背後に施された両端が縦堀に繋がる堀切、主郭周囲を削り落とした切岸、といった事になるだろう。
現状(四月訪問)城跡は、主郭転用地に祠が祭られている事もあって、造成整地された跡は充分窺えるが、その祖形に関しては当時のままが自然維持されているものと自分の眼には映った。よって堀切も含めた遺構残存度は非常に高いものであり、山城とすればそれなりに見学し易いコンディションにある事、駐車場からは数分の距離にある圧倒的お手軽感、更にその佇まいの素晴らしさ(個人的な趣向が入る)も含めれば、充分お薦め出来る山城の一つ、と言えるのではないだろうか。