三重堀切が特徴 江野城跡(兵庫県豊岡市)
城跡は豊岡市江野(ゴウノ)にあって、集落より北西側に少し奥まった山上尾根先端部に位置している。城史に関しての詳細は不明
城跡を訪れるには国道178号線に進入する事が先決となるが。江野集落から目指す城跡は視界に入らないので、集落に辿り着けば是非ルート図を参考にして頂きたい。車の進入禁止(山菜を勝手に摘んで帰る人がいる為)となる、林道沿いにある猪捕獲用檻が直登口としての目印となるが、そこから山頂を目指して上れば、20分前後で山上本郭群が迎えてくれる筈である。ただし地元の方による情報で、この付近一帯には猪捕獲用の罠が仕掛けられているので注意が必要との事!ちなみに罠のある場所には張り紙がしてあると聞いたが、直登ルート中では一切見かけられなかったので参考までに、、
城跡概念図
現状城跡は豪雪地帯で良く見受けられるが、雑木が斜面に這う様に蔓延っており(直登道中も)、藪化は相当深刻化した状況にある。訪れた時期(12月訪問)が多少良かったせいもあり、蔓延る枯れ木を避けながら何とか踏破探索出来たが、踏破した範囲において目に留まった遺構は、全て概念図には示したつもりである。その形態は本郭群両端を堀切で断った形の、小規模な山城(砦規模)としては定番とも言える輪張りプランであるが、地表風化も藪化同様相当進行中にあり、凸凹した地形から郭境を見分けるのは至難の業とも言える状況となっている。その中で見所遺構を挙げれば、唯一主郭背後尾根を断つ三重堀切という事になるが、充分見応えを感じる事は出来た。
三重堀切見所
南郭
尚、個人的に地図上あるいは築城環境を踏まえた上で、鉄塔の聳える(探せばメンテナンス用登山道は見つかる)北東尾根も砦と察せられ上ってみたが、狼煙台とも想像可能な、その背後に縦堀地形を伴う堀切(画像参照、地形+必然性を加味)と遭遇出来た事だけはお知らせしておきたい。ただその砦跡と推察した山上には現在鉄塔が建っているので、それ以前の事は想像する事も出来ないが、、、取り合えず参考までに。
ここまで藪化の深刻化した状況にある城跡を、三重堀切の見応えだけでお薦めはし難いが、現在に至るまで人の手の入らない(推察)遺構残存度の高い城郭としての史跡価値を思えば、藪をものともしない山城ファンの方だけには、何とかお薦め出来るかも知れない(個人的には大満足)、、、ただし夏季訪問は絶対に禁物!