やっと所在地判明! 坂津城跡(兵庫県豊岡市)
この城跡は数年前のブログ記事にまで遡る事になるが、但東主計城(但馬地方の山城カテゴリー)のリポート記事中に、訪れた際地元で明確な所在地を特定する事が叶わず、私見によって推定坂津城跡として載せた記憶がある。その後但馬の山城巡りの際には、何度となくお世話になっている山城ファンの方から、公的資料にある坂津城は推定城跡より派生した、北西側の枝尾根上にあるといった情報を頂戴し、今回はやっと本来の坂津城を訪れる事が叶えられた。尚、主計城リポート記事中で触れた推定坂津城(記事は据え置き)は、空堀の類は目に留まらなかったものの、切岸及びその築城環境から紛れもない城郭遺構と自分の目に映った事から、私見に基づいたものになるが、坂津城山上郭群(鬼子母神の社殿がある)としてルート図及び概念図は載せたので、興味を持たれた山城ファンの方には、山上郭群とその枝尾根上にある二城で成立(推察)したと思われる、城郭遺構を是非覗いて頂きたいと思うのである。
推定山上郭群概念図
城跡は豊岡市但東町坂津にあって、その所在位置は先に触れたルート図を見ればほぼお分かり頂けるだろう。その登城口は直登となるが、公民館傍(画像に注目)から右手側にある谷状地形を目指して上り、この付近では唯一とも言える入山口となるフェンスを開閉して、更に谷状地形に沿って上る事になる。数分で左手斜面側に直ぐそれと分かる縦堀地形に遭遇する事になるが、そこから既に城域に入っている事は確認出来よう。城史に関しての詳細は不明
現状(訪城時期八月)自身が探索踏破した範囲内における、概念図に示したまでの遺構は、山城ファンを自認する方であれば、本郭群と尾根を絶つ二本の二重堀切やそれに伴う縦堀、主郭に施された大土塁、あるいは切岸跡と、見れば直ぐに判別確認可能な比較的良い状態にあるが、自然任せの地表風化は随分進行中にあると思って頂ければよいかも、、、。その中で畝状空堀に見えなくもない、土塁を間に挟んだ空堀跡や、低い段差程度の段郭群境などは明瞭なものではなく、自身が描いた概念図は何時もの様にアバウトな縄張りと思って頂ければ有難い。ただ郭跡から四方斜面に至るまではくまなく歩き回れる状況となっているので、低草木の余り蔓延っていない、ほぼ全貌の窺える堀切などは充分楽しめるものとは思われる。
城跡を個人的に評価するのであれば、全長40m程度の砦規模の城跡ではあるが、先に触れた様に遺構の見応えは充分なものであり、山城を形成する空堀、土塁、切岸の三要素は備わっているので、規模さえ問わなければ充分お薦め出来る城跡の一つ、といった事になろうか、、