城ノ腰城跡(大阪府豊能郡)
この城跡は山城ファン(ブログ読者)の方からのコメント情報で、初めてその存在と所在地を知り得たものだが、大阪府豊能郡豊能町余野にあって、既にリポート掲載を終えた余野本城南東側の、余野集落に向いて突き出した丘陵尾根先端部に位置している。城史に関しての詳細は不明であるが、築城環境から考慮するのであれば、余野本城を築いた能勢一族の城と考えて良いのかも知れない、、、
城跡を訪れるには余野本城を起点とすれば一目瞭然の位置にある事から、城跡までのアクセス方法は割愛させて頂くが、国道423号線交差点「切畑口」の信号からは「城ノ腰橋」を渡り、ルート図における赤ラインを辿って頂ければ、5分前後で本郭群までは辿り着ける筈である。
本郭群の形態は、ほぼ概念図に近いものと思って頂いても良いとは思われるが、規模は全長百mに達するものであり、本郭群の西堀切(地形改変の窺える切り通し道)を隔てて、更に西側痩せ尾根上の削平地から西端尾根上の堀切(現状豪快な縦堀に繋がる地形)、更にその上段付近の削平地までも縄張りとすれば、城域はそれなりに広く、砦規模は充分はみ出た城郭の一つと言えるのかも知れない、、、、見所遺構がそう多くあるようには思えなかったが、主郭あるいは腰郭を形成する明瞭な切岸、二ノ郭西端の土塁郭(櫓台?)、先に触れた西端尾根に刻まれた堀切及び縦堀などは、間違いなく見学者の目は楽しませてくれると思えた。概念図に描いたまでが自身が踏破して判別確認出来た遺構群という事になるが、木々の蔓延る南側斜面までは踏破確認に至っていないので、小規模な郭跡や空堀に関しては、この限りではないものと思って頂きたい。館城(丘城)に近い城跡の形態から考えても、そう多くの残存遺構は望めそうには思われなかったが、、、、
現状(九月)城跡は、郭跡に多くの木々が蔓延らない事で見通しが利き、比較的見学し易い状態が自然維持されており、歩き回って縄張りを把握する事も容易く、遺構の醍醐味には充分触れる事が出来る状況にあると思って頂いても良いだろう。城跡を個人的に評価すれば、見応えのある遺構は数少ないが、直ぐ傍まで農地や家屋が迫った現状を察すれば、遺構残存度は非常に高いものであり、ほぼ当時のままの祖形が維持されていると眼に映った事、更に圧倒的お手軽感も加味すれば、間違いなくお薦め出来る城跡の一つ、という事にはなるだろう。
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