小多利城跡(兵庫県丹波市)
城跡は兵庫県丹波市春日町小多利にあって、標高236mのほぼ独立した低山山頂を物見郭(見張り台程度の規模)とした場合、西側尾根上を縄張りとしたものと見受けられる。城史に関しての詳細は不明であるが、安普請で築かれたその様相や、単独で聳える形の隣接した小富士城(明智の黒井城に対しての付城)との関連性を思えば、付城の一つとも考えられようが、本来は黒井城の出城機能を備えた砦として見るのが妥当なところかも、、、
城跡を訪れるには、既にリポート掲載を終えた小富士城を起点とすれば分かり易い位置にあるので、城跡までのアクセス方法は今回割愛させて頂くが、入山口となるのは城跡西麓にある道路沿いの集合墓地で、小さな愛宕神社跡を通過した後、そのまま山頂を目指して直登(25分)すれば良い。
登城ルート
城跡の形態はアバウトな概念図を参考にして頂ければ良いが、尾根上を自然露岩を取り込んで郭壁とした様、あるいはほぼ自然任せに削平されただけに終わっている郭跡は、非常に曖昧(自然地形のままかも?)なものであり、その様相は一見山城らしくはあるが、城郭遺構としては非常に味気ないものとも感じられた。一番削平の行き届いた郭跡は、概念図にも示した中腹に位置する郭跡で、この周辺では、取り合えず土塁の付随した空堀らしき地形だけは窺われた。ただ地表風化はそれなりに激しいものがあり、ほぼ見学者の判断に委ねられるとは思われるが、、、、
現状冬枯れ後とはいえ、城跡の藪化は深刻化(中腹から山頂までは特にひどい!)している状態にあり、枯れ木の隙間を縫いながらの登城は余儀なくされるものと思って頂きたいが、場所によっては黒井城が一望出来る箇所や、郭跡に佇めて僅かながら臨場感に浸れる箇所も充分ある。城跡を個人的に評価するのであれば、見応えのある城郭遺構は皆無に近く、とてもお薦めの城跡とは言えないが、黒井城に関連した城跡に佇んでみたい方だけが、訪問の対象となる城跡といった事になろうか、、、
« 矢谷城跡(兵庫県丹波市) | トップページ | 痩せ尾根上の郭を二連の堀切で守備 日内城跡(兵庫県丹波市) »
「兵庫県の山城跡」カテゴリの記事
- 八上城の支えとなる山城 法光寺城跡(兵庫県篠山市)(2012.11.17)
- 八上城付城の一つ 野間砦跡(兵庫県篠山市)(2012.11.13)
- 八上城付城の一つ 塚ノ山砦跡(兵庫県篠山市)(2012.11.10)
- 前谷砦跡(兵庫県篠山市)(2012.11.07)
- 浜谷城跡(兵庫県篠山市)(2012.09.12)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
TAKUさんこんばんは!猪名川町のイッシーです!先日三田市の城跡探訪しに行きました!!三田市の溝口城跡の近くに素晴らしい土塁に横堀遺構などが残る殿元城跡に行きました!探訪されていましたらすいません!!場所は三田市のテクノパーク工場地帯にあり溝口北の信号機を越えて少し進むと左手に上り坂の道がありそけを登りましたら真正面に民家があります!!そこの竹林地内に殿元城跡がありました!!また三田市下相野にあったとされる中尾城跡も探索しています!居館跡とも思える遺構などがありましたが肝心の城跡はまだ見つけていません!長いコメントしてすいません!また今後も頑張って山城探訪してください!自分も頑張って山城探訪して行きます!今後もご参考にさせて頂きます!
投稿: イッシー | 2012年4月16日 (月) 21時09分