山上には未だ石垣跡が現存 周防高森城跡(山口県岩国市)
城跡は山口県岩国市美和町生見にあって、長角集落の直ぐ西側に聳える、標高412mの山頂に位置しており、市の指定史跡にも認定されている。現在その山頂主郭には、下駄履き観音(役の行者)と呼ばれる石仏が、小さな祠内に鎮座しているが、その城山中腹には駐車場まで設けてあったので、近隣から参拝も兼ねて訪れる方も多いのではないかと思われる。城史に関しては「現地案内説明板」をクリックの事
城跡を訪れるには、国道2号線より県道2号線へ進入する事が先決となるが、そのアクセス方法は美和町パンフの中にあった、車道で城址麓駐車場(城址案内板あり)までは上れる、概略ルート図を参考にして頂きたい。個人的には里山の景色を味わうと同時に山登りも楽しむ為に、地元の方に教えて頂いた県道2号線沿いにある入山口(道標はないが画像を参考に)から、確かな登山道で山頂を目指したが、35分程度で辿り着けた事だけはお伝えしておきたい。(ちなみに駐車場からは10分内)
現状(11月)城跡は市指定史跡となっている為か、山上主郭(本郭部)の木々は伐採されて見通しが利き、非常に見学し易い状態にあるが、付け郭を含んだ三郭で形成された本郭部以外の、便宜上の二ノ郭から北側(登山道中)あるいは南郭群は、多くの低草木が蔓延っている状態にあると思って頂いても良いだろう。ただ移動に難渋するまでには至っていないので、山上における残存遺構はほぼ判別確認可能な状況とは言えるが、、、 踏破した範囲で目に留まった遺構は全て概念図には示したが、郭総全長は二百mに達するものであり、規模は比較的大きい部類に入るものの、自然地形に任せたまま山上を切り刻んだだけの縄張りプランに、縄張り妙味までは望めないものである。土塁地形や空堀(縦堀)跡は登山道中の南北斜面上で何とか目に留まったが、草木に埋もれて明瞭なものを窺える訳ではないので、これらはほぼ訪れる方の判断に委ねられるだろう。その中にあって城跡最大の見所遺構と呼べるものは、南先端郭西側壁に施された石垣跡で、未だ10m以上に渡って現存しており、非常に見応えを感じるものとなっている。尚、ルート図に記した北尾根、あるいは西尾根側にある出郭(屋敷跡地)までは覗いていないので、残存遺構も縄張りも、決してこの限りではないものと思って頂きたい。
城跡を個人的に評価するのであれば、山登りを楽しみながら登山道(参拝用林道もある)で迷わず辿り着ける事、山上本郭群だけに関しては縄張りが掴み易く、比較的見学し易い状態にある事、当時築かれた残存石垣跡がそのまま拝める事、僅かながら空堀が拝める事、これだけの見学材料が揃えば、自ずと「是非お薦めしたい山城の一つ」、と言う事にはなるだろう。もちろん山城ファンの方だけを問わず、史跡ファンの方も対象となるが、この石垣跡だけは覗く値打ちありと見た!
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