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2011年11月26日 (土)

遺構見学と並んで、登山も楽しめる貴重な山城 衣笠城跡(兵庫県朝来市)

城跡は兵庫県朝来市山東町与布土(ヨフド)にあって、標高430m(比高260m)の険峻極まりない山頂に位置しており、山上最高所に小規模な主郭を構え、西痩せ尾根上には西郭、更に中腹尾根上には、城郭の中枢部と察せられる規模の大きい郭を構えたものであり、主郭斜面には防備としての切岸と並んで、城跡最大の見所遺構とも言える三重堀切が、一際存在感を浮き出させている。但馬地方の国人領主のほとんどは、かつて但馬守護の地位にあった山名氏、あるいは山名四天王の傘下にあったものと思われるが、高所に築く事こそが、城郭を防備する上での最大の防御と考えたものか、山上最高所に主郭を構えた城跡が圧倒的多数を占めている。この城跡もその中の一つと言ってもよいのだろうが、正に要害堅固を地でいく山城の一つと眼には映ったのである。城史に関しては唯一松岡氏の居城が伝わるが、詳細は不明

1_1 登城ルート

7_nyuuzanguti_1 登山口

1_2_2 城跡概念図

城跡の形態は、ほぼ概念図に近いものと思って頂いても良いとは思われるが、主郭四方斜面が何れも崖状急斜面となっている現状を思えば、この山城に縄張り妙味などは全く必要としないのも当然であり、そのお陰で山頂まで上るには相当足腰に負担を強いられた。しかし西郭からの眺望の素晴らしさや、主郭東斜面に施されたほぼ全貌の窺える三重堀切を目の当たりにすれば、その疲れも一掃される様に感じられたのである。現状主郭からの眺望は木々に遮られて全く利かないが、西郭端から下界を見下ろした景色は、時代こそ違え、間違いなく当時の人々が覗いた景色であり、その数キロ先まで見通せる抜群とも言える築城環境は、築城地としてはこれ以上望めない最高の地とも思われた。更に露岩に腰掛けて遠くを眺めれば、当時に思いを馳せる事も容易く、当時の人々の情感にまで触れる事が出来る様な気がしたのである。

10_tozandou_bunkiten 登山道分岐地点

17_tyuufuku_kaku 大規模な中腹尾根郭見所

26_oku_yagura_1 痩せ尾根上の西郭

33_shukaku_1 主郭の現状

36 三重堀切見所

40_tatebori 縦堀見所

41_sita_yori_horikiri 東より堀切、主郭切岸

城跡を個人的に評価すれば、見応えのある遺構は三重堀切だけと言っても過言とは思えないが、確かな登山道で山登りを楽しみながら上れる事、眺望が素晴らしい事、おまけに遺構見学まで楽しめる事を加味すれば、山城ファンの方だけに止まらず、史跡ファンの方まで含めた全ての方を対象としてお薦めしたいと思えたのである。

城跡を訪れるには、先にリポート掲載を終えた与布土氏城を起点とすれば分かり易いので、訪問ルートの説明は割愛させて頂くが、ルート図には276号から南下して登山口まで向かうルートを示した。入山口には「衣笠城址登山口」と表記された看板が掲げられているが、ここから登山道に従って休まず上れば、約30分程度で山頂へは辿り着ける筈である。ただ沢沿いに上る道中においては、丸木橋を越えて登山道が二手に分かれる箇所(道標はない!画像に注目)があるが、必ず左側の山道へ向かう事!

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コメント

昨日は兵庫県中部の朝来市、丹波市、篠山市をぶらぶらしておりました。いくつか参考にさせて頂きました。いつも本当にありがとうございます。

ここはこの地域にしては珍しく城址案内があって、迷いませんでした。適度な斜度でなんとなく足がムズムズしてきたのですが、山頂近くの直登は激斜面までは行きませんでしたが、素人の方はびっくりする急坂ですね。奥の三重堀切、途中の空堀道など堪能しました。片道約30分の歩きは登り甲斐ありました。

ありがとうございます。

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