波美城跡(京都府福知山市)
城跡は京都府福知山市大江町波美にあって、標高約70mのほぼ独立した低山山頂に位置しており、通称城山の地にある。城史に関しての詳細は不明
城跡を訪れるには、既にリポート掲載を終えた河守城を起点とすれば、その所在位置は分かり易いが、まず国道175号へ進入する事が先決となる。北近畿丹後鉄道「大江駅」からは既に城跡は東側へ望めるので、位置確認は容易く、駅からはルート図の赤線を辿れば、迷わず付近までは辿り着けるだろう。入山口は概念図に示したが、ここから墓参道に進入してそのまま上るだけで、主郭までは10分程度で到達出来よう。
城跡の大雑把な形態は、ほぼ概念図に示した通りと思って頂いても良いとは思われるが、集合墓地から主郭北端に備わる堀切までは、近年における古墳発掘調査で、相当な地形改変があったものと見受けられた事から、この間の縄張りや遺構に関しては、ほぼ見学者の想像に委ねられるだろう。この小刻みに施された土橋地形を含む空堀地形などは、本来は堀切とした部分なのかも知れないが、この広くもない郭跡に、ここまで空堀を連続して施す必要性も感じられず、本来の堀切は二箇所程度と考えても良いのかも知れない、ただ調査後の埋め戻しが正確に行われたのであれば、見学者の見たままを縄張りとすれば良いのだとは思われるが、、、、(現状曖昧ではあるが合計五箇所の空堀地形)
現状城跡は、この時期(九月)の山城としては、意外にも見学し易い状態にあり、概念図に示したまでの遺構は、ほぼ判別確認し易い状況にあると思って頂いても良いだろう、冬季訪問においてはかなり期待が持てそうには感じられる、、、城跡の見所となるのは、畝状空堀群と呼んでいいものとは思われるが、主郭北東斜面に施された連続縦堀群、主郭北端の堀切、南端尾根を遮る土橋付き堀切という事になろうが、地表風化は特に進行しており、堀切を含めた何れの空堀も相当薄く、切岸だけは充分見応えは感じられたが、空堀群だけに限れば、見応えは余り期待出来ないかも知れない。主郭内部も全体的に凸凹地形と化しており、東端に備わる櫓台とも見受けられた土塁壇などは、地形も非常に曖昧なものとなっており、機能の想像も付き難いのが現状である。
城跡を個人的に評価すれば、古墳発掘調査以前の状態を把握していない以上、遺構残存度や縄張りプランに関しては、評価の下しようがないのが現実でもあるが、遺構見学だけを目的とした訪問であれば、充分訪れる値打ちのある山城と言う事になろうか。由良川沿いに多く築かれた城跡の、何れかと併せた同日訪問とすれば、更に充実した山城巡りとなるのではないだろうか。
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