田尻東山城跡(大阪府豊能郡)
城跡は大阪府豊能郡能勢町下田尻にあって、既にリポート掲載を終えた田尻城からみれば、田尻川を隔てた南東側標高約366mの山頂に位置しており、田尻城からも充分望む事が可能である。この山城は文献資料による違いはあるが、田尻御所とも呼ばれており、名が語る様にこの険峻な山頂を居館としたとは思われないが、当時の事情を考慮すれば、その可能性も否定は出来ないだろう。城史に関しての詳細は不明
城跡を訪れるには、田尻城を起点とすれば当然その位置は分かり易いが、ルート図には県道4号へ進入した上での分かり易い目印となる、「アートレイクGC」からの登城ルートを示した。直登開始地点付近までは林道が利用出来るが、現在(八月)その途中が道路工事中にあるので、車はルート図に示した付近に自己責任においての路駐という事になる。林道沿いからは藪漕ぎのない植林地を直登する事になるが、5分程度で主郭へ到達出来る筈である。ちなみに路駐箇所からは20分内
現状(八月)城跡は藪化進行中にはあるが、意外に樹木が密生しておらず、場所によっては木々の隙間を縫っての移動は余儀なくされるが、移動範囲(枝尾根がないので山頂のみ)も限られたものであり、取り合えず郭移動に難渋することもなく、全体をくまなく見て廻れる状況にはある。城跡の形態は概念図には示したが、相当古い時代に築かれた山城と察せられ、それに伴う地表風化も激しく、切岸跡が確認できる箇所は空堀付近だけに限られてくるのが現実でもある。ただこの山城の形態を考えれば、縄張りプランまで敢えて追求する必要性は感じられなかったが、、、その中にあって唯一判別し易い遺構は、主郭の両端に施された空堀で、特に南側の空堀は土塁を伴ったものであり、深さは失われているがそれなりに目は楽しませてくれる筈である。北側の空堀に関しては、僅かな深さと土橋の痕跡が窺える程度と思って頂ければ良いだろう。
城跡を個人的に評価すれば、遺構の見応えだけを問われれば、返答に困るのが現実と言えるかも知れないが、古い形態が故に醸し出されるこの山城の風情は捨て難いものがあり、当時に思いを馳せる事が充分出来る事を思えば、北摂の山城に興味を持たれている山城ファンの方だけに限れば、何とかお薦めできそうには思えたのである。もちろん遺構の見応えは最初から捨てて臨む事が前提であり、林道から直ぐの距離にあるお手軽感を含めての話しになるのだが、、、
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