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2011年5月22日 (日)

此隅山城と並び称されてもおかしくない素晴らしい山城 但馬中村城跡(兵庫県豊岡市)

この山城はタイトルに「此隅山城と並び称されてもおかしくない城跡」とした様に、かつては有子山城を本城とする以前に山名氏における本城でもあった、全山要塞化された此隅山城と比べれば城域では随分劣るとは言え、山上全てに渡って郭化されたその総全長は軽く300mには達するほどの、山名四天王の山城に勝るとも劣らない大型の山城と見受けられたのである。しかも山上本郭群だけにおける郭占有面積を考えれば、此隅山城を遥かに凌駕するほどの規模を備えたものと自分の目には映ったのである。

結果的にはルート図にある北側の出郭に相当すると思えた尾根上も、南端尾根端までは踏破は出来ずに終わってしまった(城域が広い)が、規模も残存遺構も概念図に示しただけには決して終わらず、南北における山上尾根全域が戦略的に縄張りと推察しても良さそうには思えた。現状城史に関しての情報は皆無に近いが、規模や城普請における莫大な労働力を察すれば、山名氏一族による築城とも思えた(推察)のである。よって結論から先に述べれば、山城ファンの方に限れば背中を押してでも訪問をお薦めしたい城跡」という事にはなるだろう。先に触れた山名四天王の城跡と比べれば遥かに知名度には欠ける(無名に近い)が、山名氏のお膝元にまだこれだけの山城が残っていたとは、、、、「山名氏の当時の勢いがそのまま反映された城跡」と言っても決して過言とは思えない、遺構残存度抜群の素晴らしい城跡の一つでもある。

1_1 登城ルート

7 直登ルート

1_2 城跡概念図

城跡は豊岡市出石町中村にあって、標高221mの険峻極まりない山頂に位置しており、有子山城から見れば出石川を隔てた西対岸にある。訪れるには多くの山城ファンの方が既に訪れていると思われる有子山城、あるいは近世城郭でもある出石城を起点とすれば分かり易いが、まず国道426号へ進入する事が先決となる。今回直登入山口としたのは城跡東麓(画像に注目)の、遠くから城跡を望んでも藪漕ぎもなく上れそうな植林地からで、この激斜面を登り切った先には、間違いなく見応えのある空堀(横堀)が待ってくれている筈である。ちなみに25分の所要時間が必要

13_yokohori_1 横堀見所

14_heki 空堀壁となる見事な切岸

22_obi_dan_1 北郭の段郭群見所

26_nobori_isidan 北郭の上り虎口と石段跡見所

30_kitagedan_shukakuheki 主郭北下段郭

32_shukaku フラットに近い主郭の現状

39_minami_kaku 南郭群の見事な切岸

48_horikiri 南堀切見所

54_tatebori_1 豪快な縦堀見所

58_yokobori 南郭の横堀と土塁見所

現状(五月)踏破した範囲内における限りでは、植林地にあらずとも人の手が入らない山城としては木々が比較的少なく、郭移動にも難渋せず、ある程度見通しが利く事によって、概念図に示したまでの残存遺構は、ほぼ判別確認出来る状況にあると思って頂いても良いだろう。見学する場所によっては此隅山城よりコンディションは良いものであり、「国史」にある此隅山城と比べても遜色ない状態にあると言っても良いのかも知れない(意外!)。山上郭群だけにおける大雑把な形態は、ほぼ概念図通りと思って頂いても良いとは思われるが、見所は堀切以外にも数多くあり、見応えのある遺構も目白押しとなっている。山上郭群は堀切や中央の鞍部でほぼ四ブロックに分かれた縄張り変化に富んだ構造となっており、横堀と土塁に縦堀も絡めた縄張り妙味屹立する郭切、段郭群で構成された防備に秀でた北郭群と、見応えのある残存遺構の数々には圧倒されるものとも感じられた。とにかく概念図に示した見所とした遺構は、最低見逃して欲しくない遺構と思って頂いても良いし、北端郭から南端尾根付近までは、踏破する値打ちのある山城と思って頂いても良いだろう。

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コメント

初めて貴ブログにコメントいたします。不躾な内容になりますがご容赦ください。

山城もシーズンオフかなあとネットサーフィンをしていたところで貴ブログを見つけました。概念図までご用意された膨大な量の記事はすごいですね。私は山城巡り値(?)があまり高くないので、今後貴ブログの情報を参考にさせていただくことがあると思います。

中村城には昨年末に訪れました。私はヘタレ故に南側はあまり見ておらず、ご掲載の概念図でいうところの主郭から北側を闊歩しました。情報や報告を本岡様が管理されている『城めぐ.COM』というWebサイトの登城記名帳(掲示板)に投稿(主なものはNo.2054,2121,2139。ほかに別の方の情報提供も有り。)したのですが、訪城はほたる橋交差点の南にある福住小学校跡地から尾根筋を目指すのが無難かなあと思いました。

TAKU様の情報は非常に有用ですので、『城めぐ.COM』登城記名帳に中村城の追加情報として後日ご紹介しようと思います。お城好きの情報共有の一環とご容赦いただけると幸いです。

話がお城から逸れますが、プロフィールを拝見したところハードロックがお好きとの事。私は城巡りの際、たまにDream Theaterの長袖シャツを着ます。黒いので蜂が寄ってこないか心配になりますけど・・・。聴く音楽のジャンルは「それなりに満遍なく」を心がけているつもりですが、最近のお気に入りはMR.BIGの"What If..."です。

末尾になりますが、TAKU様の今後益々のご活躍を祈念いたします。

TAKUです、コメントご拝見致しましたが、「中村城に関しての情報を、他の城跡Webサイトに追加紹介したい」との件、当然何の異存もございません、どうぞご自由にして頂いて結構です。
これからもポリタンクさんの城跡巡りのアシストとして、更に「山城賛歌」が役立つのであれば、私にとっても非常に満足の行くところです。
今回のコメント中で、ドリームシアターの名が挙がるとは流石に思いもよりませんでしたが、なつかしく思うのと同時に、20年経っても未だにまだ第一線で活躍し続けている、バンドの凄さを改めて感じた次第です。デビュー当時(90年頃)にあれだけの力量(超絶テクニック)を持ったバンドは珍しく、私自身もその唯一無二の音楽性に一時はまった一人なのですが、ライブもこの時期に二回ほど行った記憶があります。あの音楽性はコマーシャル性からは程遠いものでもあり、今聞いても充分新鮮に感じられる様な気がします。私にとってジミヘンは特別な存在なのですが、最近はスピリチュアルベガーズを一番好んで聞いています。曲として今一番聞きまくっているのが、メタリカの「Whiskey in the jar」といったところでしょうか、、、この曲を聴くとなぜか力がみなぎって来るのです。
ロック談義をすれば山城談義と同様に、私にとっては限がなくなりますので、今回はこの辺にしておきたいと思います。
城跡巡りに関してはこれから夏季に向いては、ダニやくもの巣との戦いが待ち受けていますが、それ以上に是非楽しんで頂きたいと思います。

紹介のご快諾、誠に有り難うございます。

お城でDream Theaterのロゴを背負ったおっさんが徘徊していたら、それは多分私なので、お声をかけていただけると幸いです。遠くからの観察でもOKですけど(笑)
TシャツならMötley Crüeなども持っていますが、山城巡りで半袖はちょっと危険なので着ていないと思います。

・・・、と脱線はこれくらいで。では、失礼いたします。

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