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2011年5月 4日 (水)

辺境地の更なる山頂に佇む、豪快な山城 下世屋城跡(京都府宮津市)

城跡は京都府宮津市下世屋にあって、渓谷といった感じのする谷沿いに人家を連ねた、下世屋集落の北西側に聳える、通称「城山」と呼ばれる標高約300mの山頂に位置しており、当時は前野半助あるいは片岡七郎左衛門の居城が伝わっている。その大雑把な形態は、険峻極まりない山頂に主郭を構え、谷沿いに建ち並ぶ集落に向かって比較的規模の大きい郭群を連ねたものでもあり、現在でも恐らく当時でも辺境の地にある事は否めないが、現在の廃校(公民館)跡からは、かつては石高を左右する小さな棚田が、西側の山上郭群に向いて無数に重なりあっていた形跡が外見からも充分窺われた。

1_2 登城ルート

10_tozanguti 公民館からの直登ルート

1_3 城跡概念図

この山城は先に触れた様に、陸の孤島とも呼べそうな辺境の地にありながらも、規模は非常に大きく、山上郭群の総全長は300mにも及ぶものであり、集落の規模を考えれば、とてもそれに似つかわしくないもの、あるいは文献資料などには決して登場もしない前野氏には、とても分不相応な城跡と言えそうに感じられたのである。ただ一色氏一族が普請に拘った山城であれば話しは別になるが、、、 形態は直線的に繋がる痩せ尾根を地形に任せて削平し、更にその郭外壁や郭境は全て切岸化し、尾根上を二本の堀切で断った、シンプルが故に分かり易い縄張りプランとなっているが、特筆すべきは郭壁に石垣が使用されている事であり、この険峻極まりない築城環境も含めれば、非常に要害堅固な山城と目には映ったのである。この石垣跡に関しては、僅かに地表に露見しているだけではあるが、現状下草の蔓延る中で何とか目に留まった箇所、あるいはまとまった形で残存する石垣跡(余り見応えは感じられないもの)だけを概念図には示した。まだ探せばいくらでも見つかりそうには思えたが、郭内や斜面に残る崩落石の多さも考慮すれば、郭壁は全て石垣で覆われていた様な気がしなでもない(推察)、、、

19_dorui_1 東郭の土塁跡見所

21_higasi_horikiri_1 東堀切見所

25_kaku7_yori_6heki 郭7より郭6切岸

27_isigaki 高さはないが幅10mに渡る石垣跡見所

見所遺構は先に挙げた二本の堀切、石垣跡、切り立つ切岸(特に二ノ郭の高低差を伴う切岸)などは真っ先に挙げられるが、後世に全く人の手が入らず(植林地にあらず)、自然任せのままで現在に至ったと思われる、ほぼ完存とも見受けられた山城の佇まいも含めれば、この築城環境も含めた城跡の全てが見所」、と言っても過言とは思えないような気がしたのである。現状(四月)藪化は当然進行中にあり、肝心な主郭は熊笹が全て覆い尽くす状態にはあるが、全体的に見れば郭移動にも見学にも差し支えるまでには至っておらず、山城としてみればまだましとも言える状態が僅かな救いか、、、

29_kaku4_heki 郭4切岸

34_3maru_1 三ノ郭

35_2maru_heki 二ノ郭切岸凄い!

39_shukaku_heki 主郭の残念な現状

42_sita_horikiri 主郭背後の堀切見所

城跡を個人的に評価すれば、山城としても城主の知名度にも随分欠ける城跡ではあるが、先に触れた様に、完存とも見受けられた遺構の醍醐味や、その佇まいも踏まえれば、是非お薦めの山城である事だけは確かであろう。とにかく戦国期山城を堪能する事の出来る、丹後においては比較的規模の大きい城跡の一つとも感じられたのである。

城跡を訪れるには、既にリポート掲載を終えた日置浜城を起点とすれば分かり易いとは思われるが、県道75号で集落に入れば、ルート図に示した二通りの箇所から直登を敢行すれば良い。赤線ルートを辿れば迷わず山上主郭までは辿り着けるが、道路沿いの朽ちた小屋を取り付き口とした激斜面ルートは藪漕ぎのないルート、公民館側から上る尾根に沿ったルートは、激斜面ではないが一部が熊笹に覆われて歩き難いルートとなっている。どちらを選択しても、20分程度で先端部の堀切までは到達可能である。

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コメント

縄張り図の豊富さ見やすさに感動しました。
しかも毎日のように追加がなされて。
私は給料もやすく城廻りは季節に1回程度で、本丸だけを目指して写真を撮るくらいです。そしてめったに行けないので1日8城ほどを計画して見学します。日の出から日没まで…だいたい飯も抜きで。
TAKUさんはもう仕事は定年されてるんですか?
大富豪なんですか? すごく羨ましいです。
私には金と時間があっても、こんな素晴らしい縄張りはかけませんが…

TAKUです、コメントご拝見致しました。
ブログ「山城賛歌」の評価としましては、「感動」と言った最上級の褒め言葉を頂戴し、これ以上ない喜びを感じると同時に、これからの山城巡りにおいての更なる励み、あるいは意欲に変えさせて頂きたいと思っている次第です、有難う御座いました。
私自身は定年にはまだほど遠いと言った処ですが、多趣味の為に出て行く支出は多く、ゆとりのない生活が日々続いていると言ったところでしょうか、、、、一度は「ロト6」でも当ててみたいと思っている今日です。
山城巡りに関しましては、決まった様に休日早朝に自宅を出て、夕方まで現地をウロウロと探索しているパターンなのですが、作図作業においては現地で描いたラフスケッチを元に、見学において感動した事などを振り返りながら、普段時間の許される限り、描いている日々が続いているといったところでしょうか、、、、相当な時間が費やされる作業なのですが、一山城ファンにおける城跡巡りの結果が、その時の感動も含めて、この概念図に少しでも反映されていると感じられたのでしたら、自身にとっても非常に満足の行くところです。
私自身日帰りの城跡巡りが多く(時間と資金がかかる為)、中々東北地方の山城巡りとまでは行きませんが、何時か訪れてみたい気持ちは持っております。
これからも一層城跡巡りを楽しんで頂ければ幸いです。

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