« 前坂北山城/石原北山城(兵庫県西脇市) | トップページ | スケールの大きい空堀が見所 播磨大山城跡(兵庫県神崎郡) »

2011年3月19日 (土)

遺構見学も登山も楽しめる 矢筈山城跡(兵庫県西脇市)

城跡は兵庫県西脇市高田井にあって、標高363mの矢筈山山頂部が主郭と見受けられたが、この地を含めた南北三峰を頂点として派生する、痩せ尾根上に郭が展開されたものであり、尾根上削平地も含めた城域は軽く500mには達しそうに思えた。

城跡を京阪神側から訪れる為の最寄の自動車道乗降口は「滝野社」ICで、そこから県道17号へ進入して北上すればよい。最終的に一般道346号へ針路変更する事になるが、高田井町に入ればルート図を参考にして、登山口手前にある「松岡神社」を目印として向かえば、駐車場までは難なく辿り着けるとは思われる。登山口には2008年に「矢筈の森公園」として整備された事を物語る案内板も設置されており、山頂の展望休憩所には城跡における縄張り略図と、城史に関しての説明書きまで掲げられている事から、愛宕神社参拝も兼ねた登山を楽しむ事はもちろんではあるが、史跡(山城遺構)として認識を含んだ上での公園化事業とも感じられたので非常に好感が持てた。ちなみに山頂までの所要時間は登山口から25分程度と思って頂ければ良いだろう。

1_1 登城ルート

4_1 登山口進入路

7_bunkiten_annaiban_1 登山ルート案内板

1_2_2

現地案内板より

1_3_3 城跡概念図

この山城も先にリポート掲載を終えた鶴居城と同様に、個人的には山城としての認識はありながらも、比高(約280m)が相当ある事、あるいは相当な藪城が予想された事を理由に、訪問を随分先送りにしていた経緯がある。今回はやっと本腰を入れて、今まで避けてきた険峻な山城にも照準を合わせた山城巡りを敢行する事になったが、意外にもこの城跡は、山城としてみれば賛辞の言葉を失うほどの保全整備された素晴らしい状態にあった。もちろん多くの藪化の進行した山城と比べた上での話しになるが、現状(二月)公園化によって新設された見事なまでの上り易い登山道、南北尾根の端から端までの城域全てに渡って満遍なく歩き回れる状況は、城跡遺構の見応えには多少欠けたとしても、まだ未訪の方には是非お薦めしたい山城の一つと目には映ったのである。

17_minami_kaku_1 社殿の建つ南郭最高所

9_2a 素晴らしい見事な眺望

26_nakakaku 中郭群

30_shukaku_1 中央峰の主郭見所

34_horikiri 北堀切見所

45_minami_kaku2_dorui 南段郭の土塁跡見所

52_tatehori 南尾根郭の堀切見所

当時の遺構として目に留まったものは、郭跡を除けば堆積物によって深さの失われた二本の堀切、長年の風化によって曖昧と化した切岸、土塁跡と、非常に数が少ないのが現実でもあるが、山頂からの眺望は素晴らしいものであり、城としての機能失って以来、風化に任せるがまま現在に至ったと思われる遺構群の残存度は高く、当然当時に思いを馳せる事は容易いものと感じられた。更に険峻極まりない山頂に自然露岩を郭壁として取り込んで築かれたその佇まいからは、鶴居城と同様に常に自分がイメージとして追い求めている「天空の城」を感じ取る事が出来たのである。

« 前坂北山城/石原北山城(兵庫県西脇市) | トップページ | スケールの大きい空堀が見所 播磨大山城跡(兵庫県神崎郡) »

兵庫(三田~播磨地方)の山城」カテゴリの記事

コメント

TAKUさん今晩は。
今回も間人地区の城の情報です。
「おつかい山城」成願寺城の川を挟んで西の山、山頂にNHKの中継アンテナが有るのですぐ分かります。道は道路が尾根を削ってコンクリートブロックで補強したところの南に「山火事注意」のポールが立っています。中継局整備用の道と思います。
山頂と、中腹に2か所城郭遺構を確認しました。
「谷垣城」前回お知らせしました「是安城」の東の山、麻呂子親王の碑を目指し中腹の神宮寺奥から登山道が続いています。道は城の付近で途切れ途切れになりますので最初の堀切が見えたら尾根上に登り地山を70m登ると城に至ります。
城の詳細は、TAKUさんの見学の妨げになるので詳しくお知らせしませんが見ごたえのある遺構が残っていました。
明日は、津山に遠征を予定していますので、早く休むことにします。

日々素晴らしい内容のブログ、楽しく拝見させていただいております。播磨地区の城跡の詳細、本当に今後向かわれる方に参考になると思われます。私も是非参考に行かせていただきたいと思います。播磨にはまだまだ素晴らしい山城が隠されています。訪城レポート期待しています。大阪府を含めた阪神地区の山城情報は意外とネット上でも少ないので是非紹介を期待しています

ショウカンさん、丹後の山城情報有難う御座いました。今まで頂戴した情報とも併せて、訪れる際には是非参考にさせて頂きたいと思っております。
私は昨日丹波周辺の山城巡りの一環として、数十年振りに福泉寺城を再訪して来ましたが、まだ残雪で斜面は滑りやすく、普段の倍以上疲れました。
流石に当時の縄張りは記憶にも残っておらず、非常に新鮮な気持ちで訪城を終えましたが、当時は現在ほど縄張りを意識して見学していなかったせいか、見逃していた遺構も数多かった事に改めて気付いた次第です。
もちろんショウカンさんは既に訪城されたものと心得ますが、リポート掲載の際には、訪ねられた当時を懐かしみながら、ブログを拝見して頂けたら幸いです。
しかし登山道のある山城巡りは、登る際には無駄な神経も使わず、遺構見学も含めて間違いなく爽快な気分に浸れる事もあって、直登で上るより遥かに楽しめる事を、今回の登山ではいやと言うほど味わされました。

TAKUです、胡蝶蘭さんコメント拝見させて頂きました。
励みともなるコメントを頂戴し、更に山城巡りに意欲を燃やしている今日ですが、播磨地方の山城リポートはもうしばらく掲載の予定です。既に訪問された城跡もあろうかとは思いますが、これからのリポートを是非楽しみにして頂ければと思っております。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1070646/38999986

この記事へのトラックバック一覧です: 遺構見学も登山も楽しめる 矢筈山城跡(兵庫県西脇市):

« 前坂北山城/石原北山城(兵庫県西脇市) | トップページ | スケールの大きい空堀が見所 播磨大山城跡(兵庫県神崎郡) »

無料ブログはココログ