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2010年11月 4日 (木)

連郭式山城の王道を行く城跡 市場城跡(兵庫県豊岡市)

この城跡は兵庫県豊岡市市場にあって、城郭に関連した文献や出版物には全く顔を覗かせない、ほぼ無名に近い山城の一つである。もちろん城史に関しての情報は皆無に近く、現状推察可能な範囲では、かつては但馬守護職にあって、此隅山城を本拠とした山名氏のお膝にある事から、その支城としての機能は充分窺えよう。

訪問結果から先に述べれば、連郭式山城の代表格とも言える分かり易い形態、山上主郭まで十段以上連なる郭間には堀切は一切施されてはいないが、その郭切岸は堀切を必要としないほどの高低差を誇るもので、主郭を頂点とした郭総数は三十にも及び、山上における郭占有面積も相当なものと目には映った。その城域は山上周辺にまとまったものではあるが、南北二百mには軽く達するものとも見受けられ、低山ではあるがその周囲は切り立つ崖状地形で、人馬も寄せ付けないほどの険峻さを誇っており、縄張りプランとも相俟って、地形そのものが更に防備に一役買っていそうにも思われた。

1route 登城ルート

4_1 城跡遠望

6 登山口進入路

Photo 城跡概念図

現状(十月)山上主郭まで展開される郭跡のほとんどが比較的見て回りやすい状態にあり、見所は遺構の判別し易さ、分かり易い形態(縄張り)、様相も含めた全てと言えるものでもある。今回踏破した範囲で目に留まった遺構は全て概念図には記したが、城としての機能を終えた時点から現在に至るまで、ほぼ手付かずとも見受けられた遺構群の残存度は非常に高いもの(ほぼ完存か?)であり、その状態も複雑な縄張りが施されていない事から見学し易く、戦国期山城の醸し出す風情、屹立する切岸の醍醐味は半端なものではないものと目に映った事からも、推奨に値する素晴らしい山城としてリポート掲載に及んだものである。山城ファンの方は言うまでも無いが、史跡ファンの方には多少辛い登山にはなるが、ほぼフラットに近い山上に佇めば、それまでの苦労は一掃されるものとも思われるので、足腰に不安がなければ是非訪問をお薦めしたいのである。

15_tei_heki_1 郭間の低い切岸

24_2maru 二郭より奥主郭壁

28_shukaku_2 フラットな主郭見所

32_shukaku_nisi_heki 西郭より見事な主郭切岸

34_tatebori 北西斜面の縦堀見所

35_hokusei_kaku_heki_1 北西郭の見事な切岸壁

44_nantou_kaku_heki 南東段郭の切岸

46_nantou_sentan_1 南東先端郭

城跡を訪れるには、まず出石を通過して豊岡市内に向かう国道426号へ進入する事が先決となるが、既にリポート掲載を終えた三開山城を起点とすれば位置関係も把握し易く、訪問ルートも想定しやすいものとは思われる。国道426号と312号の交わる「円山大橋」より703号へ進路変更(東進)すれば既に三開山は視界に入るが、そのまま道路に任せて進行、後はルート図に示した入山口となる「有庫神社」を目印として目指せば良いだろう。今回車を預ける事になるのは、その参拝道の入り口道路沿いにある市場公民館で、山頂を目指すには社殿背後にある唯一の入山用フェンスを開閉する必要はある。そこからは山上主郭までは激斜面との格闘は待ち受けてはいるが、直登道中における藪漕ぎは一切ないので、反面上り易いとも言えるだろう。ちなみに山頂までは迷わず上れるが、一気に山頂を目指せば20分程度、主郭まで切岸の醍醐味に触れながらゆっくり見て回れば、30分程度の所要時間が必要と思って頂ければ良いだろう。

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