常願寺愛宕山城跡(京都府福知山市)
城跡は福知山市夜久野町常願寺にあって、険峻極まりない標高338mの愛宕山山頂に築かれたものである。城史に関しての詳細は不明
城跡を訪れるには、国道9号(山陰道)を経由すれば「野花」の信号で国道426号へ針路変更、そのまま北上(出合城へ訪れるルート)を続ければよいが、ルート図に示した付近で道路沿いの小さな「森尾神社、愛宕山」の道標を確認すれば、谷沿いに左折針路変更して森尾神社を目指せばよい。ただ森尾神社には明確な道標がないので、画像に示した参拝道入り口にある石灯篭を目印として頂くより方法は無い。ここから神社まで上り、その社殿背後から山頂までだらだら続く連続急斜面(藪漕ぎまでには至らず)を北に向いて上り切れば、25分は要するが山上郭群が間違いなく迎えてくれる筈である。山頂には愛宕社(朽ちた祠のみ)が祭られていた事からも、かつては山上に繋がる参拝登山道があったものとは思われるが、現状登山道を探すのも一苦労するものと思われるので、これから訪れる方には直登口が分かり易い事もあって、迷わずこのルートをお勧めしたいのである。
城跡の形態は、険峻な山頂を削平しただけに終わったもので、山上郭群はほぼ主要二郭で形成され、それに帯郭が付随しただけのものでもある。ここまで険峻で突出した形の山上郭においては、防備としての堀切は必要としなかったものとは思われるが、三方尾根に対しては明確な堀切は目に留まらなかった。しかし主郭には虎口を形成するものと見られる、明確に判別可能な土塁が未だ健在しており、少ない遺構群にあっては唯一眼は楽しませてくれるものとは思えた。現状(六月)郭跡は、植林地となっているお陰で見通しは利く状態にあり、小規模なるが故にほぼ全体像が窺える状況にあるが、かつての愛宕神社敷地も含めて地表は荒れ放題と化している。山上に佇めば木の隙間からではあるが、下界は充分望める状況でもあり、険峻な地にある楚々とした山城を体感するという部分においては、これ以上ない城跡と眼には映ったのである。当時でも今でもこの山深き地の更なる山奥に、山城を築かなければならなかった理由は自ずと見学者の想像に委ねられるが、これだけ山間の険峻な地に山城が存在する事自体が信じられない気持ちでもある。
城跡を個人的に評価すれば、険峻な山城が大好きと自認する山城ファンの方には是非お薦めとは思えたが、一般城跡(史跡)ファンの方には、この厳しい連続上り斜面を考慮すれば中々お薦めとは言えないのが本音でもある。
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