« 中藤八幡城跡(兵庫県豊岡市) | トップページ | 直見城跡(京都府福知山市) »

2010年6月 6日 (日)

夜久野 西垣城跡(京都府福知山市)

城跡は福知山市夜久野町直見西垣にあるが、この城跡の形態を説明するのは少し難しい。見る限り丘城でもなく山城でもなく、山塊の先端急斜面を掘削して規模の大きい主郭を強引に設けた構造となっており、麓の街道にあたる道路までは、比高差は80mに達する築城環境となっている。しかも概念図(側面図)を見ればお分かり頂ける様に、主郭背後は垂直に近い形で山の如く屹立する切岸(大袈裟ではない!)、主郭から更にその背後を10m以上上った上段には直線的に空堀(横堀)を設け、その両サイドは数十m下まで縦堀が落ち込んでいる。主郭三方が空堀(横堀と縦堀)と付随する土塁と切岸、更に前面は切岸急斜面として、主郭はほぼ孤立した状態と言えば分かり易いとは思われる。

1route 登城ルート

1_1 進入ルート

1_3 城跡概念図

この城跡から川を隔てた東対岸山上には、ルート図に示した様に直見城が築かれている事を思えば、この二城の関連性は充分窺われるのであるが、この城跡の形態は伊賀の深い空堀、あるいは高土塁を駆使した館城の形態とは異なり、夜久野地方では決してお目にかかれないものであり、福知山から但馬地方にかけては更に類を見ないものでもある。よって個人的には直見城に対しての付け城か陣城、あるいは別の勢力によって築かれた、比較的新しい城跡の様な気もするのである。もちろん城史に関しても謎に近い城跡なので、その結論は永久に出ないのだが、見学者においてはその想像も含めて、土塁を絡めたスケールの大きい空堀遺構の醍醐味を是非味わって頂きたいと思うのである。城跡は非常に大味な縄張りではあるが、とにかく遺構残存度は高く、この状態も含めれば推奨に値する城跡の一とは言えそうに思えた。

14_shukaku_higasi_heki_1 主郭東側切岸

16_shukaku_haigo_heki 主郭背後切岸見所

17_minami_tatehori 南側縦堀、土塁見所

19_karabori_dorui_4 19_karabori_dorui_6 主郭背後上段の空堀土塁見所

24_sita_kara_tatehori_2 北側の縦堀、土塁見所

28_monomi_isi 物見郭か見所

現状(五月)郭跡は植林地となっているので見通しは利き、非常に見て回りやすい状態にあり、現存する遺構はほぼ判別確認可能と言える状況にある。館城の様相でもあるこの城跡に対しては、縄張り妙味には余り期待出来ないが、前述の遺構群を目の当たりにすれば、一般城跡ファンあるいは山城ファンの方々とは、間違いなく自分と同じ感動を共有出来るものとは思われた。

城跡を訪れるには国道9号あるいは426号を経由して、県道63号へ進入する事が先決となるが、付近まで到達すればルート図を参考にして、「西垣バス停」北側の生活道路から車を駐車する事になる神社(画像に注目)を目指せばよい。神社からは北側の城跡に向いて農道を経由して畦道から向かえば、古い集合墓地を経由して5分もあれば主郭へは辿り着ける筈である。尚、先に触れた未だ完存に近い形で遺構が残り、状態も比較的良く、個人的には見応えも山城としての醍醐味も素晴らしいものと感じられた、直見城に関してのリポートは次で掲載の予定。

« 中藤八幡城跡(兵庫県豊岡市) | トップページ | 直見城跡(京都府福知山市) »

京都(福知山)の山城」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 夜久野 西垣城跡(京都府福知山市):

« 中藤八幡城跡(兵庫県豊岡市) | トップページ | 直見城跡(京都府福知山市) »

無料ブログはココログ