« 水呑城跡(京都府船井郡) | トップページ | 須津城跡(京都府宮津市) »

2010年5月 5日 (水)

白岩城跡(兵庫県養父市)

この山城は兵庫県養父市関宮町吉井にあって、地元では白岩台地と呼ばれる地に、未だ新旧の屋敷跡地が現存しており、その屋敷跡地から南西側に聳える低山の山上に位置している。この山城を居城としたのは、当時の城主としては但馬竹田城を本城として、養父地方一帯に威を轟かせた太田垣氏一族が伝わるが、秀吉による但馬征伐では山名氏同様に滅亡の道を辿った一族でもある。しかし難を逃れた一族の中、太田垣新兵衛が再び旧地でもあるこの白岩に居を構え(帰農)た事により、初代白岩家が始まったものと伝わっている。現在に至るまでこの山城跡及び広大な屋敷跡地を所有しておられる白岩氏はその末裔でもある。

1route 登城ルート

1 城跡遠望

1_3 城跡概念図1

10_yasiki_1 新屋敷跡地の現状見所

10

御屋敷跡地見所

2 屋敷跡郭壁の石垣跡見所

簡単に城史は述べさせて頂いたが、実際にはこの白岩氏と現地で偶然(土地所有者なので偶然は可笑しいが、、、)遭遇する事が出来、氏にまつわる色んな興味深い話を聞かせて頂いた。話が随分長いものになるのでここでは割愛させて頂くが、氏は既に仕事は引退されており、川を渡った麓の集落側に居を構えておられるが、白岩家として昭和後半まで生活が営まれていた屋敷跡地を、時間の合間に訪れて自分で保全管理するのが毎日の日課である事も分かった(画像を見ればお分かり頂けるが、素晴らしい状態!)。 結果的に氏には、山城の案内説明から始まって、御屋敷跡(白岩家旧屋敷跡地)に至るまでの見学の全てに付き合って頂き、感謝の言葉も見つからないのだが、この新旧屋敷跡から山城遺構に至るまでの状態の良い遺構群は、城跡に余り興味の無い方でも当時に思いを馳せる事は容易く感じられ、限りなく無名に近いこの屋敷跡を含めた城跡遺構は、個人的には何としてでも後世まで伝えて頂きたい思うのである。氏より伺うには、かつて市よりこの山城を史跡として整備する話も一度はあったが、知らぬ間に立ち消えてしまったらしい、、、  このブログをきっかけとして、これから山城ファンの方々が訪れ易いように、せめて案内標識の設置などを、失礼は承知の上で個人的にお願いしたのではあるが、これは城山所有者でもある氏に全てを委ねるしかないのが現実の様でもある。

2_2 白岩城跡概念図

20_koguti_isidan 虎口石段跡と石垣痕見所

22_isigaki 中段の石垣跡見所

23_kaku_heki_isi 郭壁石垣跡

30_shukaku_isi 主郭石垣跡見所

31_shukaku 主郭内

32_horikiri_3 堀切見所

40_kado_isi 北物見の石垣跡見所

この山城の特徴を挙げれば、山上郭群は詰城、あるいは物見程度の機能が想像される砦規模の城跡ではあるが、郭壁全体がほぼ石垣で構築されたものとも見受けられ、崩落石の多さ、あるいは郭壁随所に点在露見する石垣跡などからも充分推察可能ではある。概念図でほぼお分かり頂けようが、縄張り変化には富んでおらず、縄張り妙味にも期待出来ない城跡ではある。しかし先に触れた様に、無骨に積み上げられた石垣跡の見応え、急斜面に沿って下まで落ち込む体像が拝める縦堀、主郭背後の深く掘削された状態を未だに保持している、状態の良い堀切(薬研堀)が城跡最大の見所と見た!尚、屋敷跡地に関しては、概念図1の如く溜池傍を通過して向っても良いし、道路側から直接向っても良いだろう。氏の申されるには、旧屋敷跡地の一番広い空間が「御屋敷」と呼ばれた場所で、ここが当時の居館跡地と伝わっているそうである。郭壁随所に残る石垣跡が当時を充分窺わせてくれているが、この石垣跡も当時の状態のままと聞くに及んだ。火災によって屋敷が消失してしまったので、新しく西側の台地に新屋敷を築き、更に溜池も同時に築いたと伝わっているようである。

この城跡へは、この日最終となる訪城物件として何の期待もせずに訪れたのだが、予想を遥かに超えた残存度の高い遺構群には、帰宅時間も忘れてしまうほど感動を味併せてもらった。ほぼ無名に近い山城でもあり、城跡遺構の見応えにも多少欠けるかも知れないが、まだ未訪で少しでも興味を持たれた方には、是非訪問をお薦めしたいのである。尚、白岩台地(新屋敷跡)周辺で人を見かけたら、それは間違いなく城山所有者と思われるので、是非声をかけて入山して頂きたい。個人的に氏とは何時か再び訪れる事を約束して城跡を後にしたのではあるが、その時は案内道標が設置されている事を是非期待して訪れたいと思うのである。

« 水呑城跡(京都府船井郡) | トップページ | 須津城跡(京都府宮津市) »

兵庫(但馬地方)の山城」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1070646/34414374

この記事へのトラックバック一覧です: 白岩城跡(兵庫県養父市):

« 水呑城跡(京都府船井郡) | トップページ | 須津城跡(京都府宮津市) »

無料ブログはココログ