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2010年4月 9日 (金)

青嶽山城跡(三重県伊賀市)

  城跡は三重県伊賀市石川にあって、「天正伊賀の乱」に際しては、織田信長に対して最後の抵抗を試みる拠点として築かれた伊賀勢の山城と伝わっているが、城史に関しての詳細は不明となっている。

城跡へ訪れるには、先にリポート掲載を終えた高藤氏城を起点とすれば分かり易いが、ルート図の如く穴石神社を目印あるいは登山スタート地点として目指せばよい。神社からは直ぐ傍にある橋を渡れば、現在は山上主郭に青嶽神社跡石碑が建つだけではあるが、かつての参拝登山道へ直ぐ合流できるので、迷わず山上までは辿り着ける筈である。山上主郭までは20分もあれば到達可能となっている。

1_1

登城ルート

7 登山道進入路

1_2 城跡概念図

訪問結果として個人的に感じた事は、伊賀で多く見受けられる丘陵上にある館城の域は相当はみ出しており、完全に山城に近い形態を成しているものでもある。城域は東西尾根上の広域に渡っており、山上最高所に城中最大郭となる主郭を構え、東尾根上に展開される郭群は自然地形を取り込む形の堀切(巨大空堀)で遮られ、ほぼ三ブロックに分かれた構造ともなっている。ほぼ自然地形に任せた縄張りプランであり、山上における突出部分を削り出して築かれたものと見受けられたが、削り出された郭跡、大土塁、急峻極まりない自然地形を利用して、更に掘削された縦堀などは未だ良好な形で現存しており、山城としての醍醐味も見応えも充分兼ね備えた城跡と目には映ったのである。ただ近世において主郭には青嶽神社が建立されていた(石碑がある)事もあり、どこまで地形改変があったのかは各々の推察、想像に委ねられるが、、、

13_dankaku_1 南東出郭群

19_tatehori_1 見事な縦堀見所

22_higasi_demaru_2 東出郭の奥土塁見所

30_anbu_horikiri 中央鞍部の堀切地形

37sanjyou_shukaku

山上主郭

40_yaguradai_dorui 主郭櫓台土塁見所

41_nisi_horikiri_1 西背後の堀切見所

44_seitan_dobasi_1 西端土橋付き堀切見所

概念図に描いたまでが個人的に踏破した範囲、あるいは遺構と判別出来たものを記したものであるが、見所としては突出した形の主郭周辺の遺構は全て挙げられよう。主郭及び便宜上の東出郭に備わる大土塁(櫓台)、その背後の土塁郭を伴った堀切、西端の状態の良い土橋付き堀切、主郭東側を遮る堀切と縦堀と、見る者の目を楽しませてくれる事は請け合いとも思えた。概念図は平面図でもあり分かり難いかも知れないが、山上は起伏に富んでおり、主要郭間は先に触れた様に全て自然地形を取り込んだ空堀で分断されており、主郭まではほぼ四箇所の狭い土橋を渡らなければならない防備にも優れた構造となっている。現状、全体を通して状態が良い事もあって、歩き回ればその縄張りプランも形態も容易に把握出来る様には思われた。

個人的には起伏に富んだ形態からも探索心を煽られ、非常に楽しむ事の出来た山城になったが、まだ未訪の方にも伊賀では中々味わう事の出来ない高所にある山城を、かつての攻防を思い浮かべながら是非楽しんで頂きたいと思うのである。

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