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2010年3月28日 (日)

上林日置谷城跡(京都府綾部市)

綾部市の上林川に沿っては多くの山城が点在しているが、三度目の訪問となる今回も三月の半ばであるにも拘らず、まだ多くの積雪が山上には残っていた。遠距離訪問でもある為に当然訪れた以上は予定を変更する訳には行かず、今回も滑りやすい急斜面の直登は余儀なくされたが、その山城の中にあっては斜面も穏やかで比較的上り易く感じられた事、遺構としての畝状空堀、あるいは堀切を含んだ空堀群の見応えは素晴らしく、更に縄張り全域に及ぶ遺構残存度も非常に高と目に映った事からも、今回は上林川沿いに点在する山城の中でも、特に推奨に値する山城、あるいは是非訪問をお薦めしたい山城としてリポート掲載に及ぶ運びとなった。

1_4 登城ルート

6tozanguti 直登口

3he 城跡概念図

城跡は京都府綾部市八津合町にあって、既にリポート掲載を終えた赤道城、沼ヶ谷城などと同様に、上林川あるいは県道1号線に沿った山上に位置しており、城跡公園にもなっている上林城とは、上林川を挟んで丁度真北側に対時している。直登口となるのは上林(ジョウリン)禅寺で、城域ともなる背後の丘陵上までは、観音堂背後を上り切れば直ぐにでも到達出来る。そこからは概念図の如く尾根を西側に上れば、便宜上の東出郭、更に上れば主郭に到達(10分程度)出来る筈である。城史に関しての情報は乏しく詳細は不明、更に当時の城主も不明であり、当然各々において推察して頂く事になるが、呼応する形となる上林城との位置関係からも、上林氏との関連性は充分窺われるのかも知れない。

22_minami2_dorui_kaku 南郭の土塁

23_higasi_dai_karahori 東側の大空堀見所

36_shukaku_dorui 主郭土塁

47_shukaku_kita_dorui_1 主郭北端の土塁

45_shukaku_nisi_une_1 西斜面の畝堀見所

42_hokusei_une_2 主郭北西の畝堀見所

43_nisi_horikiri 西堀切見所

50_kita_horikiri 北端の堀切見所

この上林地区の山城は個人的には既にリポート掲載を終えた城跡も併せると、十城以上見て回った計算になったが、この山城だけが特に規模が大きく、主郭周囲を全て取り囲んだ土、あるいは大型の土塁で囲まれた連続する南郭、馬出しにも見受けられる虎口と郭、更に空堀群は深く幅を持たせたものであり、多くの山城を訪れた方であれば、自ずと織豊系の縄張りに通じる何かを感じ取れる様には思われるのである。城跡はほぼ三峰に跨ったものであり、寺院背後の東先端丘陵上(70m以上に渡る)に位置する、明らかに切岸跡の残る小規模な郭群から始まり、便宜上の東出郭を併せると城域は相当広いものであり、規模の大きい山城と言ってもよいものだろう。

10_higasi_demaru_1 12_dobasi_horikiri_1 東出郭と土橋付き堀切見所

城跡は先に触れた様に遺構残存度は図抜けて高く、そのお蔭で積雪の中での遺構見学も容易く、個人的に今回踏破した範囲の中で、遺構と判別出来たものは全て概念図には示したが、この山城の醍醐味は畝堀を含んだ空堀群に尽きると思えるものであり、随所に窺われる技巧を伴う遺構(横矢、仕切り土塁、食い違い土塁虎口など)は縄張り妙味にも富んだものであり、飽きることなく見て回れそうには思えるのである。もちろん戦国ロマンに浸ることも容易く、限りなく広がる機能の想像は山城冥利に尽きるとも思われた。この山城を語り出せば限がなくなるが、まだ未訪の方は是非一度訪れて、縄張り妙味に富んだ山城の醍醐味を充分味わって頂きたいと思うのが本音でもある。

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コメント

TAKUさん今晩は。
相変わらず、精力的なレポートの発表楽しみに拝見させていただいています。
「日置谷城」丹波では、見ごたえのある遺構だと思います。これからもがんばってください。
私からの情報ですが、今日「山家陣屋」へ行ってきましたが、地元の方たちが整備を行っておられるようで、北側の竹やぶが切り払われて空堀と土塁がよく見られるようになっていました。
また、山城の方の「佐衛門屋敷(和久)」も同様に
整備されていました。

いつも参考にさせていただいています。今回綾部市の将監城、段山城、高津城、日置谷城、山家城、甲が峰城訪問。畝堀群など感動!でした。

追加情報
将監城:入口の案内が立ち、歩きやすくなっています。
日置谷城:お寺のほうは完全に封鎖も、手前の土砂防止止め壁に上がる階段がありここ上がると道があり、すぐ東出郭に出て本城まであっさり行けます。

TAKUです、登城リポートがお役に立てて何よりです。
今回チョイスされた城跡は、縄張りがそれぞれに異なり、しかも縄張り妙味にも溢れた城郭ばかりで、存分に楽しまれた事とお察し致します。
その中でも将監城の畝堀は圧巻の一言でした!この城は登城リポート後に改めて公的調査が入り、更に郭全体の側壁を覆う形で、無数の畝堀が発見されたのですが、まだ再確認するまでには至っておりません。もちろん何れ再訪するつもりではおりますが、、、

山城ファンの方は、近世城郭を含めた一般城跡ファンの方々と比べれば、圧倒的に数も少ないと思うのですが、今回の登城コメントを拝見させて頂き、自身非常に心強く感じられた次第です。

日置谷城同様、城跡追加情報有難うございました。

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