川関城跡(京都府亀岡市)
城跡は京都府亀岡市千代川町川関にあって、国道9号沿いにある八木駅からも望める、桂川に向いて突き出した南東側の丘陵先端に位置している。この山城も小規模な城跡が無数に点在している亀岡にあっては、情報は皆無に近いものであり詳細は不明。ただ城跡は八木本城から東側に派生した尾根上末端に位置する事からも、自ずと出城と呼ぶに相応しいものかとは思われるが、推察の域は出ない。
城跡へは国道9号を利用して向えばよいが、ルート図の如く八木駅手前(東側)にある二本の踏み切りの内、東側の踏み切り(城跡側)を渡る事になる、駅側の踏み切りを通過した場合は、恐らく辿り着く事が出来ないと思われたので、迷わず此方の踏切を渡って向かう事をお薦めしたい。踏み切りから城跡は直ぐに望める事もあって、城跡の位置は容易く確認出来るはずであり、車は川を渡った左手側に小さな神社があるので、そこの空き地を借りて停めれば良いものとは思われた。城跡への登山口は概念図と画像を載せたが、社殿(謎の神社)に向う石段より山上を目指せば、5分もあれば難なく辿り着けるはずである。
現状(一月)城跡は植林地となっている為に見通しが利き、下草も無く見学し易く、非常に見て回りやすい良い状態にある。ほぼ単郭で形成されている城跡と見受けられたが、主郭の規模は非常に大きく、全体の見通しが利くので更に大きいもの(全長60m前後ある)に見えてしまう。ただこの広いフラットな空間は、後世に神社(現在は無い)として造成整地された様な気がしないでもないが、、、これは見たままを凄いと思って楽しめばそれで良いものとは思われる。東側には風化によって切岸は曖昧であるが、数段の段郭は確認出来たが、東下段郭には土塁跡あるいは上り土塁の痕跡も僅かに残っており、色んな想像を掻き立てられて楽しめる要因とはなっている。
当時の遺構として目に留まったものは概念図に記したが、西端にある土塁壇を伴った、枡形虎口の様にも窺えた遺構が城跡一番の見所とも思われるが、その虎口郭(虎口としての断言は出来ないが縄張りプランあるいは必然性によるもの)には一部自然岩を削って虎口内壁を形成したと思われる形跡も残っており、技巧を伴った遺構に興味のある方には、目をを楽しませてくれる事は請け合いとも思えた。西側には広大な馬場跡とも見受けられる緩い傾斜面が連続しており、城域は意外に広いものの様にも感じられるのである。
城跡を個人的に評価すれば、この枡形にも見受けられた西虎口は、一見の価値に値するものでもあり、ルート図には記したが、後でリポート掲載予定の内山城と併せた同日訪問とすれば、訪ね易さも加わり、更に満足度の高い城跡巡りとなる様な気はするのである。
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