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2009年4月17日 (金)

佐保栗栖山砦(大阪府茨木市)

城跡は茨木市佐保にあって標高184mの栗栖(クルス)山の山頂に位置している。現地に赴けば一般道110号より佐保川を隔てた木々の少ない山がそれにあたるが、近年の遺構調査によって木々は伐採されたものと見られる。

1z

登城ルート

6 道路脇の案内板より

11tozanguti 直登口

この城跡に関しては佐保城と同時期に既にリポート掲載を終えたものだと自分で勝手に思い込んでいたが、最近になってまだ掲載に及んでいなかった事が発覚したので、佐保城のリポートよりは随分遅れてしまったが今回やっと掲載に及ぶ運びとなった。

城跡へは既にリポート掲載を終えた佐保城を起点にすれば分かり易いが、付近道路脇に案内説明板が設置されているので分かり易いとは言え、城跡の位置は道と佐保川を隔てた真反対側にあるので注意が必要である。城跡の位置確認が出来れば重機販売支店の脇よりほぼルート図の如く川を渡り、ほぼ正面の写真に示す直登口から上れば多少の藪漕ぎは必要となるが難なく山上までは到達する事が出来る。尚、車の路駐スペースは付近には中々見当たらないので探すのには苦労する。

現状(一月)山上は裸山に近いとは言え、一面伸び放題の下草あるいは調査後の埋め戻しによっての表土の流失などで本来あった細部に渡る地形(郭跡)の変化は掴み難く、遺構として判別確認出来たものは郭跡を除けば土塁、堀切程度でもある。山上に佇めば全方向に見通しが効くので当時に思いを馳せる事も容易に出来、小規模ではあるが戦国期の砦跡を体感する事も容易に出来る事から当然お薦めの城跡とは言えるのだが、個人的にはむしろ直登口付近に展開されていた屋敷跡の様にも窺われた段郭群で、これを当時のものとするかどうかは調査結果後のリサーチもしていないので現状不明でもある。

  Kurisu

城跡概念図

21_fumoto_minami_dankakugun_1 直登口付近の段状削平地

29_horikiri 堀切

40kita_naka_yori_shukaku 奥は主郭切岸

34_shukaku 南より主郭側

43tounan_obi 南東帯郭

35minami_top 南郭群

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大阪府の山城跡」カテゴリの記事

コメント

本日もまた、鳥取の城を日帰りで見て帰ってきました。標高350mのピークに鳥取には珍しい横堀で防御された非常に見ごたえのある遺構が残っていました。帰ってきてゆっくりしながら拝見させていただいています。佐保栗栖山砦には発掘調査の前後各1度行きましたが、この城あるの地区にニュータウン造成計画が持ち上がり全山発掘と言っていいような調査が行われ貴重な知見がたくさん得られました。
結果は、(財)大阪府文化財調査研究センター「佐保栗栖山砦跡」にまとめられています。特に発掘でしかわからないこと、郭の造成が単に切土だけでなく盛土で面積を広げていること、東側の尾根を分断している堀切が発掘前は見た目50㎝あるかなしのものが地山を掘りこんで2m以上あること等ですが、ニュータウンの計画が頓挫し結果として遺跡破壊の残骸が残る無残な状態で残念なことです。
なお、南麓削平地は「中世墓地」でここも調査が行われて報告書が刊行されています。
今後も珍しい城の報告せれることを楽しみにお待ちします。先日お知らせいたしました「舞鶴の山城」入手できましたでしょうか、残部少ないので心配しています。

TAKUです、何時もながら色々参考になる城跡情報のご提供有難うございます。やはり発掘調査後は状況によっては明暗が分かれるようで、個人的には常に遺構となる地形を見たがままを想像、あるいは推察する事によって山城を楽しむ事が第一条件であると思っているので、ある程度の遺構復元作業は必要だとは思いますが、調査以前までの確実な埋め戻し作業が行われないのであれば、余計な発掘調査は余りして欲しくないと言った処が本音です。しかしながら発掘調査して明らかになる事の方が多く、自分の様に現状における縄張りから、ただ当時に思いを馳せる程度の山城ファンにとっては、その善し悪しの判断は中々難しいのが現実である様にも思われます。
鳥取まで行かれたそうですが、日帰りはかなりスケジュール的にも肉体的にもきつそうですね、 例の本に関しては現在完売との事で、増刷に関しては予約の状況などによって決定されるので、現状においては残念ながら増刷の確約は出来ないとの事でした。

本はやはりそのような返事でしたか。4月25日に出版記念の講演会があるので確認して見ようかと思っていました。私も1冊しかもらっていません、増刷の予定など(予約の状況など)確認してみます。増刷の予定が立たないようであれば、コピーでよければお送りしましょうか。ご連絡ください。

TAKUです、度重なるご好意並びお心使いに非常に感謝いたしております。
資料館の話の内容では五月中に増刷するかどうかの判断が下されると言った事でもあり、取りあえずそれまでは結果を待ってみたいと思っております。増刷ともなれば本の部数にも余裕が出てくるとも思われますので、充分入手出来る可能性は出てくるとも思われます。

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