白滝城跡(山口県岩国市)
山口県岩国市美和町岸根にあって、登山客も多く訪れる白滝山(標高458m)山上が城跡であるが、実際には山上は物見あるいは詰城としての平坦な巨大自然岩を取り込んだ削平地でもあり、城跡としての中枢となるべく郭跡は山上より北西側に少し下った尾根上に存在する。
城跡へは山陽自動車道(広島岩国道)「大竹」ICが最寄の乗降口、国道2号経由で186号に進入すれば弥栄湖を目指して進行、弥栄湖からはルート図の如く一般道116号へ進路変更後、弥栄大橋を渡ればよいが、橋の手前辺りより既に北側に望める岩肌の多く出ているほぼ岩で形成された険峻な山頂が城跡にあたる。道路沿いの案内板手前には登山客用駐車場も完備されており、そこから山頂までは登山道で迷わず登る事が出来るが、一番分かり易い登山ルートは図の赤線で記されているルートで、尾根上の「入道岩」経由で途中周囲の開けた素晴らしいロケーションも楽しみながら登れるので、距離も時間も余り感じさせずに登れると思われる。時間的には休憩を挟めば山頂まで約80分程度(藪漕ぎの箇所は一切無い)は要すが、山頂の素晴らしいパノラマと山城遺構(郭跡のみ)は決して期待を裏切るとは思えないので是非城山登山にトライする事をお薦めしたい。
山上付近まで到達すれば自然大石に彫られた当時の旗立て台と思われる旗さし穴が数箇所に窺われ、ここが城跡であると言うことがはっきり分かる。もちろん遺構の標識も設置されているので場所は直ぐ確認可能でもある。山頂は前述の様に土塁が残っているわけでもなく巨大一枚岩を取り込んだ規模の小さな削平地で、およその機能は想像出来そうでもある、北側に向えば凄い平坦巨大岩もあり更に山上の物見を感じさせてくれるが、ほぼ見る者の想像力に委ねられる。山上の遺構としては小規模な郭跡のみでもあり味気ないかもしれないが、ここから眺められる景色は最高に素晴らしく(当時の状態のままに思える)、ここまで時間をかけて登って来た甲斐はあったと納得するのである。
山頂から北西へ10分程度下ると本来の城跡として尾根上に郭跡(削平地)、あるいは池(鏡池、溜め井戸か?)が目に留まるが、写真にある小さな祠傍には城跡の標識もあるのでこの付近が本来の城跡という事が分かる。しかし現状では雑木に覆われており削平地としての確認が出来る程度で、土塁などの判別確認までは難しい状態でもある。尚、下山はそのまま城跡から登山道に沿って降りれば容易に麓登山口まで戻る事が出来る。
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