烏帽子城跡(兵庫県丹波市)
兵庫県丹波市青垣町山垣にあって、既に訪問リポート済みである山垣城跡からは北東側に位置する標高512mの烏帽子山山頂が城跡。黒井城主にまで上り詰めた赤井氏一族の居城と伝わるが、ここまで辺境の山奥の更に険峻な山上に築くからには、それなりの理由があったとも考えられる。地理的条件及び環境も良く似ている鬼ヶ城と比べても遜色の無い高所に築かれたこの山城は、鬼ヶ城と同様に明智軍に対して最後の抵抗を試みる、あるいは最終的な逃げ城と想定していたのかも知れない、、、
城跡登山口へは山垣城跡を起点にすれば説明し易いが、国道427号から同城跡の東側をかすめて西側へ向いて走り、最終的には行き止まりになる水道施設(?)近くまで向う。ここは駐車も数台可となっているが、ここからが山上城跡に向けてのスタート地点になる。
案内道標も設置されていないので、ほぼ踏み跡を辿る程度の登山ルートと予測が出来、前日念の為にシュミレーションしておいた、最短距離で尚且つ南側の郭の展開が予想される別峯にも寄れる直登ルートを迷わず選択して登り始めるが、こちらも尾根に沿って踏み跡程度は窺われ、案外厳しい斜面との格闘を除けば登り易く感じられた。しかし厳しい登山である事には変わりは無い、、(通常の登山道も等高線から察する処では似たり寄ったりではないだろうか)
結果的には直登ルートのお陰で予想通りに南側別峯にも広い削平地を窺う事が出来、おまけに土塁を伴う明確な郭跡も確認する事が出来たのが大きな収穫ではあった。山上郭までには所要45分で辿り着く事が出来たが、山上はほぼ二郭構造で、全長40m近くはありそうで比較的規模の大きい主郭及びそれに付随する東郭で形成されており、東郭を挟んで状態の良い二連の堀切、北側斜面には縦堀及び横堀土塁跡が窺われた。現状(11月)木々も少なく見通しも利き、少ない遺構ではあるが全て判別確認は可能な素晴らしい状態にある。見所はもちろん二連の堀切と北側の縦堀及び横堀跡(ほぼ埋もれている)であるが、南側の別峯に点在する(個人的見解では当時の郭跡であると決め付けた)郭跡も見逃せないのではないだろうか。
この山城は山登りを楽しむ事を目的とした登山客からも人気が高いと聞くが、正に其の通りで、眺望も利き尚且つ山城遺構も当時に近い状態で残存しており、山城大好き人間を名乗る者にとっては絶対に避けて通る事の出来ない山城の一つであると思われる。 これも正しく天空の城と呼ぶに相応しい山城の一つである
注) 仮に直登したとしても帰りは絶対に元のルートで下山出来る保障は無い(山中を徘徊する事になる)ので、遠回りにはなるが通常の下山ルートを下りる事が肝心である。
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