滝山城跡(兵庫県神戸市)
神戸市中央区にあって新神戸駅の北西に聳える二つの峯を持つ山の山上から駅に向いての南尾根上が城跡、南北朝期には城跡として成立しており赤松、松永、三好氏と城主は交代しながら、尚且つ改修も重ねながら戦国期まで至ったものであると思われる。
城跡へはもちろん新神戸駅で降りての歩きとなったが、登山口へ向うには駅最西端に下りて高架を潜り、谷川沿いを北に歩けばすぐ住宅脇に案内板を見つける事が出来る。この石段を登れば山上までは全て登山遊歩道となっているので、途中の尾根上の郭跡を確認しながら迷わず辿り着く事が出来る。
しかしこの城跡は山上まで登山道をストレートに目指してもおよそ40~50分は要し、正に要害堅固がぴったり当てはまる山城でもある。郭跡の展開は南側の端尾根から始まっており城域も桁外れに広い、見所を挙げるとすれば縄張りの形態そのものでもあり、随所に残る石垣跡、堀切、郭切岸などはその副産物にしか見えてこない。石垣痕などは個々の郭壁に点在して見受けられ、これでは当時は完全な石垣城を想像してしまう。現状(12月)冬季である為に特に状態が良いのかも知れないが、山城を見学する上ではこれ以上望めない状態にあるとも言える。語り出すと限がないが残存状態も良く、遺構残存度も高く、更に山城の魅力を全て兼ね備えた見応え抜群の城跡と言えよう。
自然と触れ合いながら山歩きが楽しめて、更に優れた山城遺構も味わう事が出来、阪神地区に限って言えば飯盛山城跡、三草山城跡、香下(羽束山)城跡と並んで、山上を極めれば素晴らしいロケーションが待ち受けている数少ない城跡の一つである。
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