小谷城跡(兵庫県加西市)
兵庫県加西市北条町小谷にあって陽松寺北背後の山の山上部分が城跡、赤松氏一族の城跡と聞くが詳細は不明
城跡へは県道23号から「谷」と「笠屋」の中間にある道路を道に任せて北上すれば登山口となる陽松寺には辿り着ける。寺院内の北側にある墓地の最奥から裾を取り巻く形で空堀道(近世のものか?)があるのでそれを右手(東)へ進むと山道に合流する、それを山頂に向いて上ると山上郭群の中ほどにある南側の空堀跡に到達出来る。
城跡は郭間の段差も余り無く、遺構と呼べるものは郭跡を除けば南側の空堀土塁、縦堀、東端に堀切がある程度でとても見応えのある城跡とは言い難いものである。現状(九月)主郭から西の三段郭群までは下草は生え放題となっているが移動視認は可能であり遺構の判別確認は出来る。しかしその西側は笹藪で覆い尽くされておりとても踏み入る隙間も無い状態にある、お陰で郭形状及び縄張り全体像はさっぱり見えてこず推察すら出来ない状況でもある。主郭を見る限りでは規模もそう大きくは無い山城の様に見受けられるが、麓に居館を置く詰城の機能を担った程度の城跡かも知れない。作図にある様に寺院を居館に置き換えた時初めてそれを取り囲む形で東西に配置される郭群(砦跡)、あるいは山上にある小規模の詰城も三位一体となっている様子が窺われ、充分納得出来る縄張りの様に思えてくる。
こう言った形態の山城は麓も含めた城跡全体像から考えた場合のみ案外見えない部分も見えたりする事があり、想像を膨らませる事によって郭配置にまで意図とするものが読み取れたりする時がある、山城にさっぱり見応えは無いが結果的には非常に楽しく有意義な山城探索となった。
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