栃梨城跡(兵庫県篠山市)
兵庫県篠山市栃梨にあって集落の北側を流れる篠山川に向かい北方に突き出した尾根の山上に位置する城跡。勇猛で恐れられた「丹波の荒木鬼」の異名を取る荒木氏(細工所城主)の支城として機能するが光秀の総攻撃の前に奮戦するも本城と共に落城する。
城跡へは国道173号より向井公民館を目指し集落に入る(地図に記す)。城跡までの案内は無いがそれと分かる山道が麓の集落東端辺りより南側の山に向かっているので、それに従えば自然に新設された登山遊歩道となり山上主郭までは15分程度で迷うことなく辿り着ける。
城跡は直線的に並んだ主要三郭から形成されているもので、主郭には櫓台と呼べる土塁が設けられその背後には唯一の見所ともなる二重堀切が備わっているが、三の丸のある北東尾根側にも二重堀切があるので見逃してはならない。城跡を縄張り面から個人的に評価するのであれば山上郭の規模は大きいが一般的山城の域は出ていない城跡と言うことになる。しかし山城そのものは比較的状態も良いことから雰囲気も充分味わう事が出来、数少ない遺構も堪能する事が出来る。
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コメント
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こんにちはTAKUさん!猪名川町のイッシーです!本日貝田城跡と栃梨城跡訪問に行ってきました!両方の城跡も大変見応えがあり素晴らしい城跡訪問になりました!栃梨城跡の方は本丸付近を見上げると断崖絶壁になっていたのですがこれは切岸と思ってもいいのでしょうか?
投稿: イッシー | 2011年2月 6日 (日) 11時11分
TAKUです、コメント拝見致しました。
今日は比較的暖かく山城巡りには最適と思えるほどの天気に恵まれましたが、予定通り二城に赴かれたようですね、恐らく私と同じ感動を味わえたものと思えます。
栃梨城の切岸に関しては余り記憶に残ってないのですが、山城のほとんどは切岸を必要ともしない急峻な地形を敢えて利用したものが多く、この山城の様に断崖に近い地形であれば、尚更郭外壁に切岸処理が必要とは思えないのですが、どの山城でも基本的には数m下までは切岸処理がなされていると考えて頂いても良いものと思います。
安普請の下で築かれた砦規模の山城の多くは、削平だけに止まるものも多いようですが、この山城は堀切が数箇所施されているように、荒木氏の拠った細工所城の支城と位置付けられている事からも、本格的に築城された背景があると思われます。よって崖状地形は恐らく切岸化された部分も含むものと思えます。切岸に関しては長年の風化によって相当表土が流出していると思われる事から、中々発掘調査までは難しい部分があり、現状の見たままの形状から当時の状態を推察するしか方法がないのが現実でもあります。
私達見学者においては、地形から機能を想像する事が山城巡りにおいて一番楽しめる部分であり、ロマンに浸れる部分でもありますが、最終的には自身の目に全てがかかっていると言っても過言とは思えません、その為には出来るだけ多くの城跡遺構に触れて、自身の目をより肥えたものにする事が大切だと思います。
遺構を前にすれば色んな疑問、あるいは想像も膨らみますが、最終的には結論が出ないのも遺構見学における楽しさの一部と思えます。これからも色んな疑問を抱きながら、是非山城巡りを楽しんで頂きたいと思います。
投稿: TAKU | 2011年2月 6日 (日) 19時46分