高見山城塞群-1(兵庫県丹波市)
高見山城塞群 その一「高見城北出郭」
兵庫県丹波市氷上町佐野にあって標高485mの高見山山頂から四方尾根上に郭が展開され城域の広さにおいては黒井、八上、八木城に勝るとも劣らない城跡。
この城跡に関しては山城好き及び登山好きの人にはほとんど知られているので多くは語らないが、多くの人は山頂の狭い主郭及び南に谷を隔てた中ノ台を見て回る程度の様に思われる。かつて自分もそうであったがこの城跡は未だに全貌が解明されていないと聞き、自称山城好きであれば文献に余り登場してこない部分も一度探索してみようと思いつき今回三回目になる未踏尾根の踏破に挑んだ。
北からの別尾根登山で西尾根に向いては訪問リポートには載せていない(次のリポートの予定)が既に敢行しており、今回は主郭より北側の切り立つ斜面側を目指して地形図で郭跡のありそうな場所二箇所に見当を付け、登山道沿いにある山中腹の二段郭跡より横滑り状に西の尾根に向かう(ルート地図参照)。何となく踏み跡程度は残っていたので難なく辿り着くが、そこには予想を遥かに超える高見城の中枢を成しても可笑しくないほどの郭群が存在(便宜上北出郭とする)しており、随所に崩落石も見られ郭跡にも土中から少し顔を出すだけではあるが石垣跡も確認出来た。主郭周りの郭占有面積を比べてもこちらの規模の方が勝るもので屋敷跡、郭跡の切岸は良い状態のまま保持されている。 まだ未訪の方には是非この北出郭跡の訪問をお薦めしたいが、高見城中にあっては絶対に期待は裏切らない遺構と断言出来るものである。 更に横滑りで谷を跨いでもう一箇所当たりをつけた西側尾根を目指すが切り立つ崖と密生する雑木に阻まれこのルートからの踏破は断念する。
登城ルート
目星を付けた北西出郭には一度社のある主郭三の丸まで登山道で上りそこから崖状急斜面を北西側に下りて行くと予想通り、先ほどの北出郭跡より規模は小さいが帯郭を東西脇に伴った郭跡(便宜上北西出郭とする)が存在していた。こちらは背後が高さのある一枚自然岩盤で全面防備されており驚愕の様相を呈している。更に北側痩せ尾根に向いては堀切を挟んで物見まで備わっているが、これより先は砂利状急斜面で上り下りは非常に困難な状態となっている。
北西出郭
それにしても素晴らしい北出郭群であり高見城は単純な山上郭群だけに終わらず、四方枝尾根上にも点在する郭群を併せると想像を遥かに超えた城域の広い巨大な城塞群と見るべきか。丹波随一の城域を持った城跡(黒井城、八木城も凄いが、)と言っても過言では無い様に感じられる
« 貝田城跡(兵庫県篠山市) | トップページ | 高見山城塞群-2(兵庫県丹波市) »
「兵庫県の山城跡」カテゴリの記事
- 八上城の支えとなる山城 法光寺城跡(兵庫県篠山市)(2012.11.17)
- 八上城付城の一つ 野間砦跡(兵庫県篠山市)(2012.11.13)
- 八上城付城の一つ 塚ノ山砦跡(兵庫県篠山市)(2012.11.10)
- 前谷砦跡(兵庫県篠山市)(2012.11.07)
- 浜谷城跡(兵庫県篠山市)(2012.09.12)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント