三蔵山城(兵庫県宝塚市)
兵庫県宝塚市下佐曽利周辺にあっては一際高く聳える標高411mの三蔵山山頂が城跡、別名佐曽利城で佐曽利氏の居城であるが戦国期においては光秀の傘下となっている、その後の詳細は不明。
城跡へは川西から川西篠山線12号を利用し北上する場合、ローソンのある68号分岐交差点も直進し2km先の集落より西側に折れ川沿いの細い車道より現地に向かう。もちろん登山道などありはしないのでまずは取り付き口を捜すことから始める、この山は四方が急峻な斜面となっておりどこから取り付いても時間的には余り大差が無いと思われるが、取り敢えずは一番最短距離で方角的に分かりやすい北から南に向いて登るこのルートを想定した。およそは登城ルート図を参考にして頂いて山の方角である真南に向いて登れば何とか辿り着く事が出来るが、登るには藪漕ぎと斜面との格闘になる事だけは覚悟しなければいけない。(所要時間約50分) 下山は必ず登山した側の真北に向いて下りる事が大事である。(方向磁石は必須アイテム)
城域到達地点は巨大な岩壁が聳える物見らしき郭跡で一応の目安とはなるだろう。山上はほぼ全域が雑木藪と化しているが移動に困難する事も無く、予想したより随分状態はましである。古い形態の山城と窺え広大な平坦地である主郭に輪郭が数段回っており更に南側斜面の数段の段郭群から構成されている。自然岩を郭壁として取り込み形成されているが山そのものが岩の塊でもあり岩で守備された城跡と呼んでも差し支えないかもしれない。技巧の必要性など求められない縄張りに加え、人を寄せ付けない険峻さでは他を圧倒している。単純且つ剛直な様相を呈しているこの城跡の存在感は戦国期においても相当な異彩を放っていた様にも感じられる。
縄張り妙味や技巧的な遺構などに期待をしてはいけない。この山城は山上を極めて初めてそのスケールの大きい存在感に凄さを感じ、そこに「侍」ロマンそのものを感じ取れる城跡なのである。訪問時期に夏季は禁物!
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Takuさま
この城址は8年前ですが記憶ありますでしょうか。
関西にいる時間が秒読みになる中今迄近くでありながら、急峻という事で回避していましたが、それではバチが当たると思い今日訪問しました。
生憎の朝から雨でしたが勿論決行です。
どこから取り付いて良いかわからず私は木津峠付近の少し駐車スペースあるところから適当に訪問開始しました。
先人の取り付けたテープがあり、踏み跡程度ですが迷いそうなところで、前半は赤、白、黄色のテープ。山頂付近の急坂には青色のテープあり、このテープは特に下りに参考になりました。
途中何となくの堀切、竪堀、山頂付近は岩がゴロゴロ。主郭は狭いですがマニアならではの山城ロマンに浸れました。
下りは雨が豪雨になり、俺は何てバカな事をしているとおもいつつ、ストックを酷使して急坂を滑落する事なく車にたどり着きました。
ワイパーが利かないほどの雨でした。
それだけにアドベンチャー気分満喫できました。。
その気分にさせて頂いたtakuさんに今回も感謝しています。
投稿: ヒデ | 2016年6月19日 (日) 15時07分
この山城も攻略されましたか、それも雨の降りしきる中、、、
取り合えず無事生還出来て何よりでした、ご苦労様でした。
今日は私もこの雨で予定していた山城巡りは断念しましたが、この山城に関しては、藪漕ぎしながら急登した記憶は絶対に忘れる事はないと思います。遺構に見応えまでは望めませんでしたが、達成感だけは、お陰で半端ないものが味わえました。ヒデさんにとっては少し苦い記憶が残りそうですが、天候の変化やアクシデントも含めて、これが山城巡りの醍醐味だと思います。
関西在住もいよいよ残り僅かとなりましたが、近畿の山城の余韻に浸りながら、これからも頑張っていただければ幸いです。
投稿: TAKU | 2016年6月19日 (日) 18時36分
ありがとうございます。
なんとなくですが私が 登城したルートはtakuさんとは違うような気がしました。
登りはギリギリ耐えられる雨でしたが下りは土砂降りでこの季節でも寒気を感じました。
Takuさんもこの城址記憶あるのは流石です。
私にとっても印象深い達成感ある城址となりました。
投稿: ヒデ | 2016年6月20日 (月) 06時12分