雨山 土丸城跡(大阪府泉佐野市)
大阪府泉佐野市土丸にあって南北朝期において南朝側の拠点となる城跡であるが雨山、土丸の二城から成立する城域の広い山城である、戦国期までは数度の城主の変遷もありながらも17世紀初頭までは城として機能していた模様である。
城跡へは数箇所登山口がある様だが何れも登山遊歩道が山頂まで通じているので迷わず辿り着ける、その中でも恐らく最短で尚且つ遺構確認しながら城域全体を見て回れると言った点においては阪和自動車道のすぐ手前真北にあたる成合南の登山口からがベストだと思われる。
このルートでは最初に規模の大きい馬場跡を通り雨山城千畳敷き跡に到達するまでは20分程度の道程である、この山上郭群はほぼ主郭と千畳敷きの主要二郭で形成されており見所としては未だ健在の鋭角で高低差のある切岸に尽きるのではないかと思われる。井戸跡も残存しているが綺麗に整備されているので今一リアル感には欠ける、この井戸跡の脇から南西に向いて下りて行けば10分程度で土丸城跡に辿り着けるので決して見逃してはならない。
雨山 主郭
土丸城は雨山より少し規模では劣るが主郭手前の防塁としての大土塁と主郭切岸が目を引き、北西側には堀切を挟んで二段郭も設けられている。
現状両城共にある程度整備されており残存遺構のほとんどは確認判別出来る状態にある、縄張りは三箇所の山のピークに跨っており城域は広いが郭占有面積は山が険峻な為にそれほどの規模を有してはいない。自然と一体感を味わいながらの登山は気分を爽快にさせてくれ、山上は眺望もききゆったり流れる時間は戦国期にタイムスリップした様な錯覚にも捉われ、想像も限りなく膨らます事の出来るロマン溢れる城跡である。
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