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2008年7月19日 (土)

犬甘野城跡(京都府亀岡市)

京都府亀岡市西別院犬甘野にある無人の慶善寺西背後に聳える山の山上が城跡

ここより東側の山を越えて車を走らせば長沢氏の居城である笑路城跡に行く事も出来るが、城跡へは寺院横から西に向いて水道施設への道があり、これを途中まで利用して山道を上ると堀切のある尾根中間部に到達する。後は北は主郭側、南は出郭側とどちらかを選んで尾根沿いに歩けば辿り着ける。

この城跡も長沢氏の居城とだけは分かっているが詳細は不明。どちらが本城であるのかは察しがつかないが城跡成立における新旧は形態からある程度判断出来る。笑路城は縄張り構成はもちろんの事、郭の削平、切岸、石垣に至るまで随分先進性に富んでいるが、こちらは山城としても相当古い形態と見えて地表の風化も著しく郭の削平跡も曖昧で、ほぼ自然地形任せの縄張りとしか見受けられないものである。改修跡も見受けられない事からもおのずと城跡の成立はこちらの犬甘野が先で後が笑路と言う事になる。

城跡を北から南に跨いで踏破したが明確に判別出来る遺構は山上主郭周りでは埋もれた空堀跡及び一部の切岸と削平跡のある郭跡及び縦堀跡(遺構は自然の副産物かも知れない)がある、尾根中間部の堀切は南北を断ち切る城跡における唯一の見所で土塁を伴い空堀道となって東西の山道に繋がっている。南側尾根にも削平された平坦地が数箇所窺われるが後世の寺院跡の様にも見える、恐らく郭跡の転用とは思うが断定出来る材料は無い。麓竹林地には屋敷跡と見受けられる削平地が段状に連なっているが当時の遺構かどうかの判断は付き難い。

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登城ルート

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城跡概念図

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中腹にある空堀

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尾根中間部の堀切

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尾根小郭より堀切

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主郭下段の郭

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主郭

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南尾根側の出郭

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